通信以外の価値も提供するKDDI、東芝とグローバル展開を見据えたIoT事業で協業 : 製造業IoT (2/2 ページ)
IoT世界基盤は、統合管理機能などを内包する「グローバル通信プラットフォーム」を中核とし、その上でKDDIのIoTプラットフォームだけではなく、パートナー企業のIoTプラットフォーム(前述した日立製作所のLumadaなど)を動かすことが可能だ。
KDDIの「IoT世界基盤」の構成 ※出典:KDDI
この度の協業では、東芝のエンタープライズIoTサービスであるSPINEXをIoT世界基盤と連携させることで、グローバルでのリカーリングビジネスの加速を狙う。東芝 執行役専務 兼 東芝デジタルソリューションズ 取締役 社長の錦織弘信氏は、東芝グループが展開するIoTサービスの事例として、東芝が長年培ってきた遠隔監視のノウハウを活用し、対象機器の見える化を実現する「見える化・遠隔監視サービス IoTスタンダードパック」などについて紹介し、「こうした遠隔監視サービスなどをグローバルで展開しようとすると、多数の課題を解決しなければならない。東芝として、そうした課題への対応に取り組む必要があり、5Gへの対応にも注力しているKDDIのIoT世界基盤の活用を決めた」(錦織氏)という。
また今回の協業第1弾の取り組みとして、2019年5月から東芝エレベータの各海外拠点におけるエレベーターの遠隔監視サービスの実現において、“IoT世界基盤×SPINEX”による新たなサービス基盤の導入検討を開始する計画が併せて発表された。
協業第1弾の取り組みとして、東芝エレベータによる海外拠点におけるエレベーター遠隔監視サービスの導入検討開始が発表された ※出典:KDDI
トヨタと開発したグローバル通信プラットフォームを他業種展開、KDDIが日立と協業
KDDIと日立製作所は、IoT(モノのインターネット)分野で協業すると発表した。KDDIはトヨタ自動車が採用するグローバル通信プラットフォームを、自動車以外の産業にも提案する。日立製作所はグローバル通信プラットフォームと自社のIoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」を連携させ、日立産機システムの産業用インクジェットプリンタで2018年7月から試験的に導入する。
ソラコムのIoT向け回線サービスにKDDI版が登場、ドコモ版より基本料金が安い
ソラコムは、KDDIの携帯電話通信網を利用するIoT向け回線サービス「SORACOM Air for セルラー plan-K(プランK)」を発表。ソラコムは2017年8月にKDDIの連結子会社となったが、プランKは両社の協業施策である「SORACOM with KDDI」の第2弾となる。
自律するスマート工場実現に向け、IoTプラットフォーム連携が加速へ
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2018年の製造業IoTは“プラットフォーム”元年に――ウフル専務八子氏
IoT関連のサービス構築やコンサルティングなどで大きな存在感を発揮しているウフル。そのウフルで専務執行役員を務める八子知礼氏は、IoT関連の識者として知られ、国内企業のIoT活用について提言してきた。そこで八子氏に、国内における製造業のIoT活用の状況や、今後取り組むべき方策について聞いた。
IoTプラットフォームが引き出すスマート工場の真の価値
今後の製造業の発展に向けて必要不可欠とみられているIoT(モノのインターネット)。本連載では、IoTの現在地を確認するとともに、産業別のIoT活用の方向性を提示していく。今回は、スマート工場におけるIoTの価値がどのような仕組みで実現されていくかについて紹介する。
第4次産業革命を支えるIoTプラットフォームって結局何なの?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについてお伝えしています。第10回となる今回は、2016年から雨後のタケノコのように乱立する「IoTプラットフォーム」について説明したいと思います。
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