KDDIと東芝、東芝デジタルソリューションズの3社は、グローバル展開を見据えたIoT(モノのインターネット)事業の取り組みにおける協業を発表した。KDDIの「IoT世界基盤」と東芝のエンタープライズIoTサービス「SPINEX」を連携させ、IoT機器の通信接続からデータ収集、蓄積、見える化、分析および活用までをワンストップで提供する。
KDDIと東芝、東芝デジタルソリューションズの3社は2019年4月23日、グローバル展開を見据えたIoT(モノのインターネット)事業の取り組みにおける協業を発表した。
KDDIの「IoT世界基盤」と東芝のエンタープライズIoTサービス「SPINEX」を連携させ、IoT機器の通信接続からデータ収集、蓄積、見える化、分析および活用までをワンストップで提供。企業のグローバル展開における課題解決を支援し、早期のサービス立ち上げや価値創出に貢献する。
KDDI 取締役執行役員常務の森敬一氏は、日系企業のグローバル進出の加速、IoTを活用したモノ売りから体験価値提供(コト売り)へのシフトを例に挙げ、5G(第5世代移動通信システム)時代におけるプラットフォームの中核を担うIoT世界基盤を通じ、「KDDIはグローバルに事業を展開する製造業などの企業に対し、循環型ビジネス(リカーリングビジネス)への転換をサポートし、通信だけでなく、付加価値を創出していく」と述べる。
KDDIのIoT世界基盤は、企業のIoTビジネスのグローバル展開におけるビジネス面での課題、実行面での課題を解決するもので、IoT機器の通信接続からデータ活用サービス、各国の法規制対応などの手続きまでをワンストップで提供。グローバルでリカーリングビジネスを展開する企業を支援する。なお、IoT世界基盤は2019年5月15日から商用トライアルの受付を開始するとしており、それに先駆けて日立製作所のIoTプラットフォーム「Lumada」との連携についても発表している。
IoTビジネスのグローバル展開で直面するビジネス面での課題に関しては、「『海外の顧客に提供した製品がどこで、どのように使われているかが分からない』といった声をよく耳にする。さらに『製品を活用する顧客のペインポイント(悩みの種)が予見できない』という課題を抱えている企業も多い」(森氏)という。そのような課題に対し、IoT世界基盤では「稼働状況および稼働場所の見える化」と「データ分析によるペインポイントの把握」をプラットフォームとして提供することで、ビジネス面での課題解決を図り、顧客企業のビジネス変革を支援する。
さらに、実行面での課題としては「グローバル展開を考える企業の多くが、『海外キャリアの選定』『各国の法規制、GDPR(EU一般データ保護規則)対応』『各国でのデバイス認証取得』といった煩わしい手続きや作業に頭を抱えている」(森氏)。これに対し、KDDIのIoT世界基盤は120カ国以上で最適な通信環境を提供し、統合管理および運用を支援する。加えて、法規制の調査や申請代行、デバイス認証取得の代行といったことも全て含めて一元対応してくれるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.