開発者に対するサポートも推進する。ハードウェア開発者向けに設計から論理合成、シミュレーション機能までを提供する「Quartus Prime 開発ソフトウェア」ではコンパイル時間を30%短縮するなど生産性を向上させた。
ソフトウェア開発者向けには、Intel製CPUやFPGA、専用アクセラレーターを共通コードで扱うことができるコンピュータビジョン開発用のツールキット「OpenVINO」や、さまざまなISA(命令セットアーキテクチャ)が混在するヘテロジニアスなプロセッサ環境においても単一のAPIでコードが記述できる「OneAPI」でAgilexを利用することができる。
AgilexはSiP(System in Package)で構成しており、FPGAファブリックとチップレットはEMIB(Embedded Multi-die Interconnect Bridge)によって基板にパッケージングされる。これによりAgilexでは“Any-to-Any”に製品ラインアップを構成できるため、顧客は自らのニーズに合ったFPGAを豊富なSKU(Stock Keeping Unit)の中から選択できる。SKUは「数百というオーダーになる」(Dorsey氏)見通しだ。
また、FPGAをカスタムロジック開発に用いる場合にもAgilexは有効なソリューションであるという。Intelは2018年7月にストラクチャードASICを手掛ける「eASIC」の買収を発表しており、同社は製品ライフサイクルの段階に応じてカスタムロジックの実装をFPGAからストラクチャードASIC、そしてASICへシームレスに移行することを支援できる体制が整ったとする。Dorsey氏は「ストラクチャードASICによってASIC開発期間が従来より半減できる。カスタムロジックを一気通貫で提供する能力を持つのはインテルだけだ」と強調した。
Agilexは「Fシリーズ」「Iシリーズ」「Mシリーズ」の3ラインアップでファミリーを構成する。Fシリーズはローエンドとして位置付けられ、基本的なスペックとしては最大58Gbpsのトランシーバ、PCIe Gen 4のインターコネクト、DDR4 SDRAMのメモリに対応する。
ミッドレンジのIシリーズでは最大112Gbpsのトランシーバ、PCIe Gen 5のインターコネクト、DDR4 SDRAMのメモリ、Arm Cortex-A53のクアッドコアSoC(System on Chip)を実装し、オプションでCXLによるXeon Scalable Prosessorとの接続に対応する。
ハイエンドとなるMシリーズでは最大112Gbpsのトランシーバ、PCIe Gen 5のインターコネクト、DDR4/DDR5 SDRAMやOptane DC Persistent Memoryのサポート、Arm Cortex-A53のクアッドコアSoC(System on Chip)を実装し、オプションでCXLによるXeon Scalable Prosessorとの接続、HBMに対応するとしている。
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