パナソニックは、深層学習(ディープラーニング)に基づく顔認証技術を活用した入退セキュリティシステム「KPAS(ケイパス)」を開発した。2019年4月26日から受注を始める。オフィスビルへの展開を皮切りに、店舗や商業施設、展示場、国際会議場、ホテルなどに広げていく方針。
パナソニックは2019年2月21日、深層学習(ディープラーニング)に基づく顔認証技術を活用した入退セキュリティシステム「KPAS(ケイパス)」を開発したと発表した。同年4月26日から受注を始める。オフィスビルへの展開を皮切りに、店舗や商業施設、展示場、国際会議場、ホテルなどに広げていく方針。
KPASは、オフィスの従業員やゲストなどの顔登録は最短で15秒、登録した顔データの認証は1秒以内とスピーディーで利用者のストレスが少ないことを特徴とする。同社が2017年5月に発表した「世界最高水準の顔認証技術」を基に開発しており、利用者の年齢の10年程度までの経年変化、サングラスを含むメガネ、マスク、メークなど顔特徴の変化に強い。これにより、認証のためにメガネやマスクを外したりする手間がいらず、利用者にとって利便性が高いという。ゲストがオフィスに入る際のゲストカード発行も不要になり、ゲストカード発行などの待ち時間も大幅に短縮できるとする。
なお、3万人までの顔データの登録が可能であり、管理者による一括登録も行える。顔データは暗号化して登録され、顔登録、認証時の個人情報データは登録用レジスター、ゲート、認証チェッカーといった端末側では即時廃棄される。個人情報はサーバで管理され、有効期限の設定による自動削除も可能なので、プライバシーに配慮した運用が可能になっている。
この他の機能として、顔登録時に名刺情報も登録することで、会議中にポータルサイトに来訪者の顔写真入りの「デジタル名刺」を表示して顔と名前が一致しないことが起こらないようにできる。さらに入退室で使用した顔情報を使って、オフィスの人脈相関図などの可視化にも活用できるという。
KPASは、パナソニックのB2B向けIoT(モノのインターネット)サービス「μSockets(ミューソケッツ)」の1つとして提供される。今後、μSocketsで提供されるマイクロサービスと掛け合わせることで、B2B現場の可視化、分析、課題解決を図り、現場プロセスイノベーションの実現につなげていくとしている。
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