AIを活用し、家電ごとの電力使用量を高精度で推定する技術を開発人工知能ニュース

三菱電機は、自社のAI技術を使い、スマートメーターで計測した住宅全体の電力使用量から、家電ごとの電力使用量を高精度で推定する「家電ごとの電気の使い方見える化技術」を開発した。

» 2019年02月18日 10時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 三菱電機は2019年1月29日、自社のAI(人工知能)技術「Maisart(マイサート)」を使い、スマートメーターで計測した住宅全体の電力使用量から、家電ごとの電力使用量を高精度で推定する「家電ごとの電気の使い方見える化技術」を開発したと発表した。電力会社による新たな電力データ活用サービスの提供や、家庭での省エネ意識の向上への貢献が期待される。

photo 「家電ごとの電気の使い方見える化技術」のイメージ 出典:三菱電機

 推定方法は、事前にモニター住宅で計測した住宅全体や家電ごとの電力使用量、さらに家族構成や保有家電などの属性情報を基に、AIが3段階のクラスタリングを実施。日々の行動時間などの変動をAIが補正し、家電ごとの電力使用量の特徴が類似する住宅をグループ化することで、典型パターンを作成する。最も類似する典型パターンをAIが自動選択するため、実績値との誤差を抑えた高精度の推定が可能になる。

photo 典型パターンの作成方法(クリックで拡大) 出典:三菱電機
photo 家電ごとの電力使用量の推定方法 出典:三菱電機

 推定にはスマートメーターの計量値を活用するため、新たな計測器の取り付けは不要だ。従来の電流センサーなどの計測器による推定方法と比べ、蓄積データ量を1%以下に抑制できる。

 同技術は、東北電力が2018年7月から実施している実証実験「よりそうスマートプロジェクト」の省エネアシストサービスに採用されている。

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