2019年のITで注目集まる技術や市場トレンドが発表製造ITニュース

IDC Japanは、2019年の国内IT市場において鍵となる、技術や市場トレンドなど主要10項目を発表した。ITサプライヤーに焦点を当て、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代にどのような自己変革を行うべきかをまとめている。

» 2018年12月27日 09時00分 公開
[MONOist]

 IDC Japanは2018年12月11日、2019年の国内IT市場において鍵となる、技術や市場トレンドなど主要10項目を発表した。特にITサプライヤーに焦点を当て、デジタルトランスフォーメーション(DX)時代にどのような自己変革を行うべきかをまとめた。

 今後は、既存業務プロセスの効率化など現実的なデジタル化の取り組みを行う企業が増え、ITサプライヤーにとっては「パッケージ化されたデジタルソリューション」のビジネスチャンスが広がると同社は見ている。

 また、海外で進む「働き方の未来(Future of Work)」に向けた取り組みの影響を受けて、ワークカルチャーやワークスペース、ワークオフィスの三位一体の改革が国内でも始動する。ITサプライヤーは、自らが働き方の先導者となり、これを通じて必要なITソリューションを開発すべきだとする。

 クラウドについては現在、適材適所での利用によって「サイロ化」が助長されている。コストの最適化など、システムごとに見ると効果はあるが、運用管理の複雑化による課題が顕在化している。そのため、企業組織全体としてのクラウド最適化に向け、CoE(Center of Excellence)の重要性が高まるという。ITサプライヤーは、マルチクラウド、ハイブリッドクラウドにおける自社の製品とサービスのポジションを明確にすべきだとしている。

 さらに、IoT(モノのインターネット)の利用拡大とともに、IoTソリューションのステークホルダーが増加している。それらを結び付ける「エンゲージメントポイント(Engagement Point)」も増加し、2019年はその関係性が複雑になると予想される。ITサプライヤーは、複数のステークホルダーのIoTデータ、基幹系システムのデータを一元的に管理できるプラットフォームの構築や、企業が部門間でシームレスにデータを扱えるよう、組織変革アドバイザリーを提供することが重要になる。

 エンタープライズでは、自然言語処理(NLP)の向上により、音声とテキストによる対話型AI(人工知能)アシスタントの普及が予想される。ITサプライヤーは、音声認識が可能なAIの最新技術を持つ企業とアライアンスを進めるべきとする。

 セキュリティ面では、2020年東京オリンピック、パラリンピックに向けて人材が不足し、AIによる対策の自動化が加速する。よって、AIを活用した脅威インテリジェンスによる製品連携ソリューションを訴求すべきだという。

 AR/VRデバイスは、2019年はスマートフォン接続型のAR/VRヘッドセットが複数登場する。ビジネス用途に加え、エンタープライズ用途への拡大も予想され、それらのユースケースに関する研究が重要になると見ている。

 DX実現をサポートするサービスは、プロジェクト型から継続反復支援型と発展して「マネージド化」が進む。ITサプライヤーは、継続反復的支援におけるオファリングや契約体型、体制、ビジネススキームの組み立てが急務になるという。

 国内大手企業では、今後DevOpsが本格化し、クラウドネイティブアプリケーションの開発が加速する。2019年もDevOpsの利用増加が見込まれるため、ITサプライヤーは顧客のDevOps支援サービスに向けて、サービスモデルを改革すべきだとする。

 他に、DXへの取り組みがエンタープライズインフラの高速大容量テクノロジーの導入を加速させるため、ITサプライヤーでは、多様な支出モデルの提供能力を確立すべきだとしている。

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