サプライズパーツへの対応がユニークだったのはSDU Roboticsチーム。このチームのハンドは指先が交換可能になっており、それが3Dプリンタで作られている。会場には3Dプリンタを持ち込んでおり、サプライズパーツのデータが来てすぐ、対応する指先を3セット出力したそうだ。
見ていて面白かったのは、イギリスの「Cambridge Robotics」チームだ。最も難しいレベル4のサプライズを選択したのは、唯一このチームのみ。「逆転を狙って選んだ」とのことで、チェーンの取り付けができるのか注目されたが、残念ながら途中で終了。ただ、一部のサプライズパーツの取り付けには成功し、加点を得て44点で2位となった。
外から見ていると、何だか強引なやり方のようでいて、それでもなぜかうまくいくのが不思議だったのだが、このチームは組立タスクでカメラの画像は使わず、位置制御と力覚制御のみで行っていたとのこと。物体の認識無しでここまでやれるというのは、ちょっと驚きである。
このチームは、グリスの粘着力でボルトをピックアップするというやり方がユニーク。3本指のハンドは、リングの位置を上下に動かすことで、大きいものも小さいものも中心で持てるようになっていたのが特徴的だった。
以上の結果、WRS2018ものづくり部門で1位となったのはSDU Roboticsチーム。同チームは初日のタスクボードタスクで圧倒的なスコアを出しており、結果的には、それを最後まで守り切った形だ。2位は全タスクで3〜4位と安定していた「JAKS」チーム、3位は組立タスク1位のFA.COM Roboticsチームと、日本の2チームが入った。
SDU Roboticsは、メンバー11人が来日。ロボットを1セット競技会に持ち込んだほか、もう1セットは本国に残してきたそうで、そうした万全の開発体制を敷いていたことも勝因の1つではないだろうか。チーム代表のChristian Schlette氏は、「難しかったがエキサイティングなタスクだった。2年後の本大会にも挑戦したい」とコメントした。
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