オムロンが描く真の人協働とは、重要なのは“ロボットではない部分”WRS2018(2/2 ページ)

» 2018年10月22日 11時00分 公開
[三島一孝MONOist]
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“移動できる”ということを最大限生かす考え方

 2つ目のポイントが移動できることを生かすという点である。基本的には1つ目のポイントである「自律性」が前提とはなるが、協働ロボットとAGVの組み合わせにおいて「1歩横に移動するだけでできることは格段に増える。組み合わせによりその利点を最大化することが重要だ」(担当者)とオムロンでは考えを述べている。

 具体的には、上下3段に分かれた棚において、一番上の棚と真ん中の棚、一番下の棚から物品を取るのに最適なロボットの位置は異なっている。移動ができないとするとロボットアームを必要以上に長くしないといけなくなり、そうなると、作業時の腕の動線などを考えると必要以上のスペースが必要だったり、一緒に作業をする人の邪魔になったりするケースが生まれる。協働ロボットとモバイルロボットが円滑に連携して動作することでこれらの問題を解決でき、省スペースでの自動化が実現可能となる。

photophoto 取る棚の場所によってロボットが位置を変えている点がポイント。自然な動作により省スペースでのピックアップが可能となる(クリックで拡大)

人協働ロボットだからこそ必要なこと

 オムロンではテックマンとの協業で、自動搬送モバイルロボット「LDシリーズ」と組み合わせて使用できる「モバイル対応モデル」(TM5M、TM12M、TM14M)を発売する計画を示しているが、今回WREで出展したものはこれらの販売モデルではなくデモ用のカスタム仕様のものだとしている。

 ただ、基本的に協働ロボットに必要な2つのポイントについては、オムロンの強みとして訴えていく方針だとしている。

 オムロンでは「多くの協働ロボットが既存の産業用ロボットの延長線上で考えている場合が多いように感じている。今回のデモは、協働ロボットだから実現できることを考えて作った。人と一緒に働くということは、常に変化する可能性があるということで、従来のように一定の動作を高速、高精度で行うということ以上に、認識能力や自律性などが重要になる。この領域でオムロンの技術の根幹である『センシング&コントロール+Think』が生きると考えている」(担当者)と強みを強調している。

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