雨が小降りになったのを見計らうように、記念撮影をしているチームは見慣れたピンクのTシャツ軍団、日本工業大学です。リーダーの門前光佑さんにお話を伺いましたが、途中でとんでもない豪雨になったため、テント内でのインタビューになり、マシンについてのお話はあまりできませんでした。ただ、応援に駆け付けた前年のチームリーダーである蓼沼美波さんのお話も伺えたので、少し違う視点からのレポートです(前回の記事:クルマも機械も面白いよね! 女性リーダーも活躍する学生フォーミュラ)。
S 今回のマシンの特徴は?
門前さん(以下M) 車体設計を全面見直しして徹底的に軽量化を図りました。
S エンジンは変わらずホンダの500ccツインですよね?
M リアサスペンションも完全に新設計しました。車両全体で27kg軽量化しましした。
S それはすごい! 10%以上じゃないですか!これからの次世代自動車には大きく2つの軸があって、1つはパワートレイン。内燃機関の効率化なのか、EVなのか、はたまた水素なのか。でも全てのパワートレインの高効率化に寄与するのは軽量化技術ですからね!
(ここでスコールのような豪雨になり、小林記者に促され既設のテントの中に避難、前年のチームリーダー蓼沼さんと合流)
S 蓼沼さん、元気そうですね!
蓼沼さん(以下T) はい、おかげさまで!
S 2018年、後輩たちの活動はどうですか?
T みんなきっちりと活動していて素晴らしいと思っています。
S 先ほど門前さんから、「今年はむさくるしいチームですみません」って言葉が出たけど(笑)
S 就職して今はどんなお仕事をしているの?
T 自動車の車体周りの設計です。
K 女性の設計者って、相変わらず少ないですよね?
T はい、先輩にひとりいて、後は私だけです。
S そうですか! 学生フォーミュラをやっていて役に立ったね!
T はい、やっていてよかったなと思っています。
S はっきり言ってつらい活動だものね。スポンサー集め、設計、シミュレーション、膨大な資料作り(コスト、プレゼン)、テスト走行、そしてはるばる静岡まで遠征して本番。とんでもない労力だよね。しかも時期的には就職活動(就活)と同時期でしょ? もちろん、自分たちが作ったマシンが目の前で走って、いい成績を収めることは大きな達成感だけど、正直つらいいことの方が多くて長いよね? たった4年間の大学生活に比べて、これからのエンジニアとしての生活は長いけど、学生フォーミュラでのリーダーの経験を生かして頑張ってくださいね!
T ありがとうございます! 頑張ります!
日本工業大学のマシンはコスト審査で1位、プレゼンで4位と静的審査では抜群の成績を収め、動的審査でも全種目完走と総合19位、前年の順位より若干落ちてしまい、目標のシングルナンバーは実現できませんでしたが、2019年もピンクTシャツ軍団の活躍からは目を離せませんね。
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