IDC Japanは、国内ネットワークサービス利用動向に関する企業アンケートの調査結果を発表した。企業は、次世代移動通信システム5GのIoTでの活用に大きな期待を持っていることが分かった。
IDC Japanは2018年9月6日、国内ネットワークサービス利用動向に関する企業アンケートの調査結果を発表した。企業は、次世代移動通信システム5GのIoT(モノのインターネット)での活用に大きな期待を持っていることが分かった。
調査では、企業に5Gがビジネスにどのように役立つと期待しているかを尋ねた。その結果、常に上位を占める「単純に通信料を削減」(第1位)、「モバイルアクセスの快適性向上」(第2位)に続いて、第3位「IoTデバイスによる膨大なデータ取得/活用」、第4位「ネットワークを介した低遅延のシステム制御/自動化」、第5位「膨大な数のIoTデバイスの接続」など3つのIoT関連項目が上位を占める結果となった。
同社では、5GがIoT領域での活用を前提とした新規格であるとの認識が市場に浸透しており、かつ期待が高まっていることを裏付けるものだと分析する。特に第3位が「IoTデバイスによる膨大なデータ取得/活用」だったことは、「IoT×データ分析」による新たな価値創出への高い期待を示すものだとしている。
一方、「固定回線の代替」(第6位)、「高精細ビデオ(4K/8K)による臨場感の向上」(第7位)、「AR/VRの活用」(第8位)はIoT関連よりも期待が高くなかった。固定回線の代替については、現時点では5Gの実際の品質や安定性、価格などを予測できないことが理由だとされる。また、大画面やAR/VRへの高精細ビデオ配信などは、5Gの主なユースケースの1つとして紹介されることが多いが、このような活用方法を検討する企業は、IoT全般に比べやや少ないと考えられる。
今回の結果について同社では、現在多くの企業がIoTデバイスで収集したデータから価値を生み出すことに高い関心を持っており、そうした機運の高まりが、5Gに対する期待やニーズにも反映されていると分析している。
今回の発表内容は、IDCが発行したレポート「2018年 国内マネージドICTおよびネットワークサービス市場 企業ユーザー調査」に詳細が報告されている。
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