3Dプリンタ向けの特殊材料を開発・製造する合弁会社を米国で設立、長瀬産業子会社3Dプリンタニュース

Nagase AmericaとInterfacial Consultantsは、合弁会社「Infinite Material Solutions」を設立した。FDM方式の3Dプリンタ向けに、エンプラやスーパーエンプラにも対応可能な水溶性サポート材フィラメントを製造する。

» 2018年09月10日 13時00分 公開
[MONOist]

 長瀬産業の子会社であるNagase Americaは2018年8月28日、スペシャリティケミカルや特殊樹脂などの開発に強みを持つInterfacial Consultantsとの間で、合弁会社「Infinite Material Solutions」を設立した。

 新会社では、3Dプリンタ向けの特殊材料を開発・製造する。現在、3Dプリンタの主流の1つであるFDM(熱溶解積層)方式向けの、水溶性サポート材フィラメントの製品化を進めており、販売は2019年初めを予定している。

 同サポート材は、非溶解性のサポート材と比べて微細なデザインを造形可能だ。水溶性のため、サポート材の除去に要する作業時間や労力、コストを大幅に削減する。さらに、ABS樹脂などの汎用エンジニアリングプラスチック(エンプラ)だけでなく、機械特性や耐熱性に優れたPEI樹脂、PEEK樹脂などのスーパーエンプラにも対応する。

 国際的な調査分析会社IDTechEXによると、スーパーエンプラを用いる3D印刷は、自動車、航空宇宙産業、医療機器向けの需要が増え、今後5年で市場規模が約10倍になると見込まれている。Infinite Material Solutionsでは、FDM方式以外の3D印刷向けサポート材についても開発を進めていく。

 Nagase Americaは、Infinite Material Solutionsが開発した付加価値の高い製品を、3Dプリンタの国際市場の約4割を占めるといわれる欧米市場で、先行販売する計画だ。

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