EVベンチャーのGLMとオリックス・レンテックはモーターや二次電池などのパワートレインと車台から構成されるEVプラットフォームのレンタルを開始する。料金(税別)は60カ月(5年)プランで月額14万3000円から。
EV(電気自動車)ベンチャーのGLMとオリックス・レンテックは2018年8月14日、モーターや二次電池などのパワートレインと車台から構成されるEVプラットフォームのレンタルを開始すると発表した。レンタルするのは、GLMの第1世代EV「トミーカイラZZ」に採用されている「第1世代プラットフォーム」。料金(税別)は60カ月(5年)プランで月額14万3000円から。同年8月20日からオリックス・レンテックを通じてレンタルサービスを始める。年間で6社6台の利用を目指す。
第1世代プラットフォームは、外装部分(外観ボディー)と完全に分離しており、EVプラットフォームだけで走行できることが特徴。レンタルサービスでは、EV向けの部品や製品、システムを開発する企業の、試作品の搭載/動作検証など、研究開発用としての需要を見込む。両社ともに、車両のプラットフォーム部分をレンタルするのは初めてで「世界でもまれなサービス」(GLM)だという。
また、このレンタルサービスは、顧客が抱える製品化までの悩みに対して、大手自動車メーカー出身者を中心とするGLMの技術者が課題を抽出し、解決方法をアドバイス、プランニングするレンタル前のサポートプランを組み入れている。「当社の強みである、自動車関連事業の技術・開発支援のノウハウを生かす」(GLM)。
GLMはこれまでEVプラットフォームを販売していたがその価格は750万円(税別)だった。今回のレンタルサービスにより購入する場合の初期負担を軽減できる。なお、先述の5年プランの総支払額は858万円(税別)となる。レンタル契約期間は12〜60カ月で、1カ月単位で指定できる。途中解約は差額請求となる。走行エリアはテストコースや私有地内のみに限られる(車両ナンバーなし)。
GLMは、旭化成や京セラとトミーカイラZZのEVプラットフォームを用いたコンセプトカーを共同開発するなど、部品や素材メーカーへの技術開発支援実績を積んできた。また、中国やインドを中心に、自動車メーカーのEVの量産開発支援の引き合いも増えているという。今回のレンタルサービスにより、EVプラットフォーム利用のハードルを下げ、プラットフォーム事業の強化を進めたい考えだ。
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