デジタル製造は既存技術の組み合わせで、SAPがマスカスタマイゼーションを訴求ハノーバーメッセ2018(2/2 ページ)

» 2018年05月16日 11時00分 公開
[三島一孝MONOist]
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2. 金属部品に貼付するワーク情報のパネルを印刷

 金属部品に貼付するワーク情報のパネルを印刷するために端末から情報を入力し、印刷を行う。

photo 金属パネルにワーク情報を印刷。先ほどの注文番号「32092」や「monoist」が印刷されていることが確認できる(クリックで拡大)出典:SAP

3. ワーク情報のパネルを自動搬送しAGVに搭載

 印刷したワーク情報のパネルをロボットアームとリニア搬送システムの組み合わせで自動搬送し、無人搬送車(AGV)に搭載する。ロボットが搭載されたカメラでパネルの情報を読み取り、注文情報などと照らし合わせて、適切なAGVに搭載する。

photophoto ロボットアームとリニア搬送システム、画像認識システムを組み合わせ自動でピックアップして最適なAGVに搭載する(左)と認識した画像情報(右)(クリックで拡大)

4. AGVを活用した柔軟な組み立て作業

 工程作業間を自由に動き回るAGVが、「SAP ME」の指示により柔軟に工程作業間を動き回り、金属部品の組み立てを実現する。

photo AGVが工程間を自在に動き回り作業を完成させる様子(クリックで拡大)

 AGVへの指示は、注文時のSAP Hybrisの情報をHANA経由でSAPの製造実行システム(MES)である「SAP ME」に送り、実行している。

photo システム構成図(クリックで拡大)出典:SAP

プロセス製造業でもマスカスタマイゼーション

 同様のマスカスタマイゼーションとして、プロセス製造業をイメージした飲料品の模擬ラインも用意。その場で注文したカスタム製品がすぐに生産される様子を示した。

photophoto プロセス製造業におけるマスカスタマイゼーションの様子(左)とオペレーション情報(右)。カスタムした色付きの飲料が製造されるイメージ(クリックで拡大)

 SAPジャパン インダストリーバリューエンジニアリング事業統括本部 インダストリープリンシパルの柳浦健一郎氏は「デジタル製造によるマスカスタマイゼーションの実現は着実に現実的なものに近づいてきており、ユーザーからの関心も実現に向けた具体的なものに変わってきている。自動車部品やプロセス産業など適用範囲も広がっており、そういう状況を訴えた」と述べている。

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