パナソニックCNS社の樋口氏が進める改革は海外へ、北米で新会社発足製造マネジメントニュース

パナソニックは、北米のシステムソリューション事業を強化する。コネクティッドソリューションズ(CNS)社に関連する北米の子会社を統合し「パナソニックシステムソリューションズ ノースアメリカ社」として新たにスタートさせる。

» 2018年01月16日 07時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 パナソニックは、北米のシステムソリューション事業を強化する。コネクティッドソリューションズ(CNS)社に関連する北米の子会社を統合し、2018年4月1日に「パナソニックシステムソリューションズ ノースアメリカ社」として新たにスタートさせる。本社は米国ニュージャージー州ニューアークに置く。

 ハードウェア単品のビジネス形態から脱却し、顧客のニーズに合わせて製品とソフトウェアを組み合わせて提供するための体制に移行する狙いがあり、日本国内でCNS社が進めてきた変革をグローバル展開する取り組みとなる。

 人員の面でも、複数の子会社があることで100人規模のシステムエンジニアが分散してしまい、業務効率に課題があった。新会社の設立によって効率を高めるとともに、エンジニアを倍増してシステムソリューション事業の強化につなげていく。

 統合の対象となるのは、コネクティッドソリューションズカンパニー北米本部(CNSNA)、セキュリティカメラや堅牢PC、POSシステムなどを中心に扱うパナソニック システムコミュニケーションズノースアメリカ社(PSCNA)、プロジェクターや放送用カメラなどエンターテインメント事業を担当するパナソニック メディアエンターテインメント社(PMEC)、電子部品の実装機や溶接ロボットなどを扱うパナソニック ファクトリーソリューションズアメリカ社(PFSA)の4社。

 パナソニックシステムソリューションズ ノースアメリカ社には、デジタルソリューションセンターを置き、公共セキュリティ分野や製造分野、フード&リテール分野、物流分野など北米の顧客に向けてソリューションを提供する。データソリューションセンターではクラウドベースの共通プラットフォーム上で開発したサービスを提供するためのSI機能を有する。

門真から東京へ、3カ月で手応え

CNS社の樋口泰行氏

 CNS社は、2017年4月にAVCネットワークス社から改称して発足した。システムだけでなく現場にあるコアデバイスも含めてインテグレートする「トータルインテグレーター」に向けて変革を進めるため、3階建ての構造改革に取り組んできた。

 “1階”に当たるのはカルチャーやマインドなど企業風土の改革だ。その上の“2階”に、顧客の要求に応えるための、ソリューションシフト・レイヤーアップによるビジネスモデル改革がある。具体的には、ビジネス現場で培ってきた先進コア技術とB2Bシステムを構築するノウハウを組み合わせたIoTサービス「μSockets」がある。これらを踏まえて商品や地域、業界の選択と集中を進めるのが“3階”だとしている。

 この構造改革の一環で、大阪や首都圏に点在していた部門を2017年10月から東京都港区汐留に集約した。CNS社 社長の樋口泰行氏は「門真で顧客に対する感度を上げても仕方がない。東京である必要があった。まだ3カ月だが、ダイナミックに部署がまじりあってコミュニケーションが活発になっている。会議が減り、意思決定が早くなったという声を聞く。今期の数字にも表れてきた」と実感を語った。CNS社 副社長の原田秀昭氏は汐留に移転したことにより顧客が倍増したという。「東京には決定権を持つ顧客が多く、訪問しやすくなったのは大きい」(原田氏)。

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