HPは2017年9〜10月にかけてVR関連製品を相次いで発売した。VR製品のビジネス戦略について発表し、引き続きゲーミング向けにも注力するとともに、商用向けはさらに重要視して取り組んでいく方針を示した。背負えるワークステーションの裏にも、「カッコいい」だけではない戦略があった。
HPはVR(仮想現実)対応のウェアラブルワークステーション「HP Z VR Backpack G1 Workstation」(以下、HP Z VR Backpack)(関連記事:VR対応のウェアラブルワークステーションなど、4機種を発表)、MR用 HMD(ヘッドマウントディスプレイ)とコントローラーのセットである「HP Windows Mixed Reality Headset」と、2017年9月〜10月にかけてVR関連の製品を相次いで発表し、VR製品のビジネス戦略について明かした。
同社におけるPC製品の事業戦略を以下の3つに分類する。
基礎となるPC事業が「コア」で、同社の「プレミアム」製品や、ゲーミング関連製品、シンクライアント製品などがここに含まれる。「成長」は、「今日、明日での成長」を意味し、コア製品以外の取り組みを示す。ハードウェア単体ではなく、サービスとして製品を提供するビジネスとなり、ワークフロー変革関連の製品やリテール向けの「HP ElitePOS」などが該当する。
VR製品は上記の3つ目、「将来」へ向けての製品に位置付ける。他、3Dスキャニングや働き方改革もここに該当する。
同社のVR関連の新製品としては、プロフェッショナル向けとして、2017年9月に背負えるエンジニアリングワークステーションHP Z VR Backpackを発表している。3D CAD/CGの処理に向いた高性能ワークステーションが、そのまま背負えるというユニークな製品だ。
同年10月には、コンシューマー向けとしてHP Windows Mixed Reality Headsetも販売開始。同製品は税込価格で6万4584円で、PC本体を含めても10万円を切れる価格だ。かつHMD単体ではなく、MRの環境が確実かつ簡単にセットアップできるシステムになっている。
これら新製品の背景にあるビジネス戦略について、「VRの市場を作ろうと考えるとき、コンテンツ製作側と消費する側(利用者)、両方に働きかけることで市場を拡大していく」だと日本HP 執行役員 パーソナルシステムズ事業本部長 兼サービス・ソリューション事業本部 本部長 九嶋俊一氏は説明する。
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