神鋼製の不正アルミ板を使用したトヨタの車両、強度や耐久性への影響は無し製造マネジメントニュース

トヨタ自動車は、神戸製鋼所によるアルミ板などの検査証明書の不正に対する調査結果を発表した。2017年10月8日に不正が公表されたアルミ板については、仕入先経由で購入しているものも含めて、一部の車両のフード(ボンネット)やバックドアなどに使用されていることが分かったが、車両への影響はないとしている。

» 2017年10月20日 07時00分 公開
[朴尚洙MONOist]

 トヨタ自動車は2017年10月19日、神戸製鋼所によるアルミ板などの検査証明書の不正に対する調査結果を発表した。同年10月8日に不正が公表されたアルミ板については、仕入先経由で購入しているものも含めて、一部の車両のフード(ボンネット)やバックドアなどに使用されていることが分かったが、車両への影響はないとしている。

 神戸製鋼所は、10月8日にアルミ板、アルミ押出品、銅板条、銅管、アルミ鋳鍛造品、同月11日に粉末冶金(焼結)用の鉄粉製品とターゲット材、13日に銅合金管、モールド、アルミニウム合金線、合金棒、鋼線、特殊鋼、ステンレス鋼線の検査証明書の不正について発表している。

 今回トヨタが車両への影響確認を調査したのはアルミ板だ。神戸製鋼所が保有していた直近3年分のデータを使用し、その範囲で最もトヨタ自動車の規格から外れた数値をベースに強度や耐久性を検証した。その中で、車両の安全性/耐久性に関する関連法規やトヨタ自動車の基準を満たしていることを確認したという。

新型「LS」「LC」 トヨタ自動車は高級車ブランドのレクサスを中心にアルミニウム素材の採用を広げている。写真は発売されたばかりの新型「LS」(左)と「LC」(右)(クリックで拡大) 出典:トヨタ自動車

 アルミ板以外の素材による車両への影響についても「早急に確認作業を進める」(トヨタ自動車)としている。

トヨタへの納入形態 神戸製鋼所公表日 素材 車両への影響
直接 10月8日 アルミ板
10月13日 銅管、鋼線など 確認中
仕入先経由 10月8日 アルミ板
クラッド材 確認中
アルミ押出
銅製品
10月11日 鉄粉
ターゲット材
10月13日 銅管、鋼線など
改ざんのあった可能性のある素材と車両への影響確認状況 出典:トヨタ自動車

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