テクマトリックスは、米国パラソフトのC/C++言語対応テストツール「C++test」の最新バージョン「C++test 10.3.2」の販売を開始する。MISRA C 2012への完全対応やCERT Cコーティングスタンダードへの対応など静的解析機能を大幅に強化したことが特徴。
テクマトリックスは2017年10月5日、米国パラソフト(Parasoft)のC/C++言語対応テストツール「C++test」の最新バージョン「C++test 10.3.2」の販売を開始すると発表した。併せて、品質の可視化と開発ワークフローの高速化を実現する「Parasoft DTP」の最新バージョン「Parasoft DTP 5.3.2」の販売も始める。
C++testは、コーディング規約のチェックやフロー解析を行う静的解析のみならず、単体テストやカバレッジ計測、アプリケーションモニタリングなども行える総合的なソフトウェアテストツールとして知られている。車載機器、産業機器、医療機器、OA機器などの組み込みシステムをはじめ、ミドルウェアの開発、Windows/Linuxアプリケーションの開発などでも利用されている。
2016年4月以来、約1年半ぶりのリリースとなる日本語版の最新バージョンでは、静的解析機能を大幅に強化した。まず、ミッションクリティカル分野の組み込みソフトウェア開発におけるコーディング規約として広く用いられているMISRAの最新版であるMISRA C:2012に完全対応した。MISRA C 2012は、2016年4月に新たな項目としてAmendment 1が追加されているが、C++test 10.3.2はこのAmendment 1を含めた完全対応となっている。これにより、MISRA C 2012の採用が進む車載、航空、産業機器などの分野における安全なソフトウェア開発をより一層強力に支援できるという。
また、IoT(モノのインターネット)時代を迎え、組み込み機器にも求められつつあるサイバーセキュリティを満足できるようにCERT Cコーティングスタンダードに対応したルールを新たに31種類追加した。これらを含めて、静的解析ルールを新たに226種類追加し、コーディング規約チェックの種類は総計約2100種類となった。
動的解析では計測可能なカバレッジを9種類に拡張した。従来サポートしていた、ステートメント(C0:命令網羅)、ブランチ(C1:分岐網羅)、条件(C2:条件網羅)、MC/DC、関数カバレッジなどに加え、自動車向けのISO 26262をはじめとする機能安全規格対応で必要とされるコールカバレッジの計測機能が追加されている。
なお、はじめてバージョン10.xとなった前回のリリースでは既存機能の一部が統合されていなかったため、既存機能を使用するときにはバージョン9.xを利用する必要があった。最新バージョンの10.3.2では、これら既存機能の完全互換も実現しているので、バージョン9.xを併用する必要がなくなる。
Parasoft DTPは、C++testなどパラソフト製品との連携が可能で、同社製品のユーザーが無償で利用できる「DTP Standard」と、パラソフト製品だけでなくタスク管理を行う「Jenkins」や「REDMINE」といった他社ツールとも連携可能な「DTP Enterprise」がある。
バージョン5.3.2では、DTP Standard、DTP Enterpriseとも機能を拡充。DTP Standardでは、新規ウィジェットや詳細画面を追加するとともに、単体テスト結果のパブリッシュに対応した。
DTP Enterpriseでは、MISRA C 2012への順守状況を確認できるウィジェットが追加され、タスク管理ツールとの連携によって、ソースコードや静的解析違反の差分解析(最新の解析と前回の解析における差分の解析)、要求事項とテストのトレーサビリティーをレポートできるようになった。
これらの他、テクマトリックスが開発した「Understandメトリクスバブルチャート」や「Ranorexテストレポート一覧表示ウィジェット」なども利用できる。
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