第4次産業革命に向けた課題にはさまざまな要素が考えられるが、情報通信白書2017では、IoT導入時の制約について国際比較を行った調査結果を示している。
第4次産業革命に対する期待については、日本は個人・企業ともに他国と比べるとポジティブな認識は低い。特に企業にとってのポジティブさは低く、ネガティブに捉えられている現状が分かる。一方で欧米(特にイギリスとドイツ)では、企業における認識が非常にポジティブで、企業が積極的に取り組んでいる状況がうかがえる。
一方、自国以外で第4次産業革命において特に変革がもたらされる(変革をもたらしてくれる)と思う国について聞いたところ、米国は米国以外の企業からの期待感が共通して多く、2位以下を大きく離している状況が見える。ただ、注目なのは、米国に次ぐ国として日本が評価されている点だ。日本では必ずしもポジティブには捉えられていないが、世界の国々からは「日本が何か変革を起こしてくれるのでは」という期待感が予想以上に高いということが分かる。
日本の一般企業およびIoT推進コンソーシアム参加企業(ITAC企業)について、業種別に第4次産業革命に対する期待を見てみると、一般企業では「情報通信産業」への期待が他の業種と比べて高く、次いで「製造業」の期待が高いとしている。一方、「商業・流通」や「サービス業」においてはやや低い傾向がみられる。
第4次産業革命が顕在化する(60%以上となる)タイミングに対する各国の企業の見方は、現在から2025年までの間におさまっている。米国は半数が既に顕在化していると回答しており、イギリス・日本(ITAC企業含む)は「2020年頃」が最も多い。ドイツは2025年頃としている。
第4次産業革命で特に変革がもたらされると思われる業種・産業分類については、「情報通信業」が高く、次いで「製造業(自動車以外)」「エネルギー・インフラ」の順番となっている。日本企業では「情報通信業」に集中した傾向が出ており、日本では「第4次産業革命は情報通信業に閉じたもの」との認識が強く出ている。
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