机上の空論になりがちな「問題解決」、それを本当に進めるための“現場のコンサル力”向上のヒントをお届けする本連載。第4回では、一つのテーマからモレ・ダブりなく解決策を生み出していくための「演繹法」についてお伝えします。
前回までは数ある事象を要約する帰納法、そして仮説設定とその証明までのプロセスとコツについて、演習を交えてお伝えしました。今回からはいよいよ、導き出した問題に対する“解決策”の検討フェーズに移ります。
解決策の検討では、「演繹法(えんえきほう)」を用います。演繹法といえば「AはBである」「AはCである」という事実から「ならばBはCである」という新しい事実を導き出す三段論法が有名ですが、要は当たり前の前提から新しい答えを導き出す手法です。ここで紹介する、問題解決における「演繹法」は、MECEを重視した解決策の網羅です。
MECEというのは簡単に言えば「ダブらず、もれなく、上位概念を構成する集団」を指します。例えば、大阪から東京へ行く時の交通手段では飛行機や新幹線などさまざまな手段が考えられますが、まとめると「陸路」「海路」「空路」のいずれかになるかと思います。細かい理論はさておき、この“交通手段→「陸路」「海路」「空路」”というような関係をMECEと考えてください。大事なことは、間に存在する概念を飛ばして、“交通手段→飛行機・新幹線・バス”などとしないことです。間を飛ばすとどうしても漏れが出てしまいますが、例えば「陸路」という概念が分かれば、“陸路→鉄道・車・徒歩・自転車……”など、手段の網羅がしやすくなります。
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