コマツ、NTTドコモ、SAPジャパン、オプティムの4社は、建設業務での生産プロセスに関わるあらゆる「モノ」をつなぐ新プラットフォーム「LANDLOG(ランドログ)」を4社共同で企画、運用することに合意した。
コマツ、NTTドコモ、SAPジャパン、オプティムの4社は2017年7月19日、建設業務での生産プロセスに関わるあらゆる「モノ」をつなぐ新プラットフォーム「LANDLOG(ランドログ)」を4社共同で企画、運用することに合意した。建設事業者に向け、同年10月の提供開始を目指す。
今回の合意は、コマツのIoT(モノのインターネット)の取り組みを長年支えてきたNTTドコモ、SAPジャパン、オプティムが、コマツと共に建設生産プロセス全体のIoT基盤となるプラットフォームの企画、運用に取り組むものだ。
現在、コマツが建設現場向けに展開しているソリューション事業「スマートコンストラクション」では、クラウドプラットフォーム「KomConnect」を利用している。このプラットフォームは、現場ごとの建設生産プロセス全体の情報を収集し、蓄積および解析する機能を持つ層と、蓄積されたデータを生産性向上や現場の安全に活用し、アプリケーションとして提供する層の2つの層で構成される。このうち情報の収集、蓄積、解析機能について、4社で企画、運用するランドログを用いて、さまざまなアプリケーションプロバイダーにデータを提供していく。
従来のKomConnectは、建設機械による施工プロセスを中心とするプラットフォームだが、ランドログは建設生産プロセス全体を包含する。今後コマツは、KomConnectの一部の機能を発展的にランドログに委譲し、プロバイダーとして建設現場の課題解決に取り組んでいく。
参加4社の役割は、コマツが地形の3次元測量や建設生産プロセスへの投下資本(機械、人、資材など)の可視化に関するノウハウを提供する。NTTドコモはLTE、LPWA、5Gなど無線通信のノウハウやサービス、IoTソリューションの構築とデータ収集/可視化/分析について提供する。また、SAPはデザインシンキングとSAP Leonardoによる新プラットフォームビジネスの支援を、オプティムはAIやIoTおよびCloud IoT OSの活用に関するノウハウを提供する。
国内の建設業界では、高齢化などにより技能労働者の離職が進み、労働力不足が問題となっている。測量、施工、検査といった建設生産プロセスのICT化も進んでいるが、これらのプロセスにはそれぞれ専門を有する複数の工事事業者が携わるため、データが事業者ごとに管理され、有機的に活用されていないという課題があった。今回、こうした課題や社会的ニーズについて4社が共通の認識を持ったことから、新プラットフォーム事業に共同で取り組むこととなった。
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