NEDOは、エアロセンスがGPS測位機能付き対空標識「AEROBO(エアロボ)マーカー」を開発したと発表した。同マーカーにドローンによる測量やデータ処理を統合した測量システムの提供も開始される。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2017年6月30日、エアロセンスがGPS付き対空標識「AEROBO(エアロボ)マーカー」を開発したと発表した。エアロセンスでは、同マーカーとドローンによる測量やクラウドデータ処理などを統合した測量システム「エアロボ測量2.0」のレンタル/販売予約を同年7月より開始する。なお同製品は、NEDO事業の成果を活用して開発された。
エアロセンスが開発したエアロボマーカーは、GPS測位機能を搭載した3Dモデル補正のための対空標識。エアロセンスは同マーカーを、自社開発のドローンとクラウドデータ処理を統合した「エアロボ測量」システムに追加。さらに、マーカーの位置情報と3Dモデルとの対応処理を自動化し、パッケージシステムとしたエアロボ測量2.0を開発した。
エアロボ測量2.0は、エアロボマーカーを現場に置くだけで、ドローン飛行中にエアロボマーカー自体の位置を高精度に測位する。独自のクラウド後処理と組み合わせることで、建設現場での測量工数とデータ後処理工数を削減する。これにより測量工数を削減し、国土交通省が推進する「i-Construction」基準に沿ったドローン測量がより簡便にできるようになる。
土木/建設業界では人手不足が大きな課題だ。国土交通省は、ICTの全面的活用などの施策を建設現場に導入することで生産性向上を図る「i-Construction」を推進している。この取り組みのもと、従来の紙媒体の設計図ベースから3Dモデルのデータをベースとしたワークフローへの移行が進められているが、i-Construction基準に沿った測量精度を出すためには、現場にマーカー(3Dモデルを補正するための対空標識)を設置し、そのマーカーを別途測量する必要があった。
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