Kunkun bodyは、アイデアが出た2015年夏から約2年でクラウドファンディングでの商用化にまで持っていくことができた。しかし、コニカミノルタのBIC Japanのは、実質2人の担当者で進めてきたというのが実情だ。
甲田氏は「BIC Japanのメンバーはアイデアと行動力はあるものの、足りないものはたくさんある。オープンイノベーションの実践がなければ、Kunkun bodyは商用化できなかっただろう。パートナーの皆さまには大変感謝している」と強調する。
まず、ニオイセンサーの開発に協力した大阪工業大学の大松氏とは、展示会の「イノベーション・ジャパン」で出会った。大松氏はコーヒーやワインの香りを嗅ぎ分ける技術などを開発していたが、BIC Japanから体臭嗅ぎ分けの共同研究を申し出て、快諾してもらったという。
そこから、臭気判定士や調香士、工業デザイナーといった専門家とのマッチングでビザスク、人間中心設計のUI開発でユー・アイズ・デザイン、共同展開可能な商品として消臭肌着「MXP」を扱うゴールドウイン、ハードウェア/アプリケーションの設計開発を担当したコスモなど、多数のパートナーと連携することで短期開発を実現できた。
また、1年前の2016年夏に完成していた試作機を使って、全国で約2000人を対象に体験イベントを実施。体臭が測定できることへの魅力を「感じる」が54%、「やや感じる」が39%で、合計93%が前向きというアンケート結果を得ており、サービス受容性があるという見込みでのクラウドファンディングとなった。
実際にクラウドファインディングは、目標金額の225万円に対して、2017年7月18日10時時点で約1980万円の支援を集めており、大きな反響を得ているといえるだろう。
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