パナソニックは、人とのコミュニケーション機能を持った卓上パートナーロボットを開発した。卵の殻を開いたり閉じたり、子どものような声を使ったりして、現実に存在する生き物のような雰囲気を実現したという。自然言語生成技術を利用した会話も可能だ。
パナソニックの北米法人であるPanasonic Corporation of North America(以下、パナソニック)は2017年1月4日(現地時間)、人とのコミュニケーション機能を持った卓上パートナーロボットを開発したと発表した。消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2017」(2017年1月5〜8日、米国ネバダ州ラスベガス)で試作品を披露する。
ロボットの形状は卵型で底部に4つの車輪が付いている。内部にはプロジェクターが組み込まれており、卵の殻を開け閉めするようにしてプロジェクターを出したり、戻したりできる。
この卵の殻を前後に振ったり、上下に動かしたりする動きは、独自のサーボ制御技術により、スムーズかつ人間が操っているかのように器用だという。この動きに加えてロボットが発する子どものような声により、現実に存在する生き物のような雰囲気を実現した。プロジェクターと子どものような声を連動させることで、自然なコミュニケーションを行うとともに、ロボットに対する愛着感も生まれるようにした。
Wi-Fiによる無線通信を活用して、自然言語生成技術を利用した滑らかで親しみのある会話も行える。クラウドの活用や、遠隔地とのコミュニケーションも可能であり、内蔵プロジェクターを利用した遠隔地教育などにも適用できるとしている。
ロボットの外形寸法は卵の最大直径が290mm、高さは最小で350mm、最大で485mm。重さは3.7kg。4個の車輪はパルス幅変調制御による直流モーターで駆動し、最高時速3.5kmで移動できる。搭載するリチウムイオン電池は電圧11.1V、電流容量6600mAhで、約6時間の動作が可能だ。センサーは800万画素のCMOSセンサー1個と赤外線センサー5個を使用している。プロジェクターは解像度は854×480画素(WVGA+)で、明るさは50ルーメン。プロセッサは、動作周波数1.2GHzでクアッドコア構成の「ARM Cortex-A53」で、OSはUNIXを使用している。無線通信は、2.4GHzと5GHz帯のWi-Fi(IEEE 802.11 a/b/g/n)、Bluetooth 5を利用できる。対応言語は、現時点では英語のみ。
パナソニックは、この卓上パートナーロボットに関する特許および意匠登録の出願を米国内外で行っているとしている。
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