作業動態分析システムがスマートグラス端末に対応:製造ITニュース
シーイーシーは、メガネ型ウェアラブル端末のスマートグラスに対応した作業動態分析システム「スマートロガー」の提供を開始した。作業管理者などのIE分析を支援し、データ収集・分析時間の低減に貢献する。
シーイーシーは2016年12月6日、従来の腕時計型ウェアラブル端末スマートウオッチに加え、新たにメガネ型ウェアラブル端末のスマートグラスに対応した作業動態分析システム「スマートロガー」の提供を開始した。価格は、スマートロガー1ライセンスとスマートグラス2台のセットで約300万円からとなる。
スマートロガーは、スマートデバイスを活用することで現場責任者や作業管理者のIE分析を支援し、データ収集・分析時間の低減に貢献する。AGC旭硝子と共同開発し、AGC旭硝子各工場や自動車メーカー、精密機器メーカーなどの製造業や物流業向けに展開している。
今回、スマートグラスへの対応により、作業現場の管理者が機器を手に持つことなく作業工程ごとの所要時間と動画データを自動集計でき、管理画面上で視覚的な動作・時間分析が可能となる。さらに、分析結果と実際の映像を比較し、問題の原因を突き止めることが容易になった。経験の浅い作業者への改善点の指示、作業現場での情報共有ツールとしても活用できる。
また、撮影しながら作業分類を同時に行い、分類した作業データをサーバに自動的にアップロードする。これにより、データ収集から分析作業までの時間を従来の1/10以下に短縮できる。
今後は、現場作業員の作業状況を遠隔から把握・共有して作業指示や支援を行う機能の追加や、ディープラーニングを活用した作業分析の効率向上を目指す。
作業管理者が装着するスマートグラス(上)、スマートロガー管理画面(下)
スマートロガーの利用イメージ
スマートロガーによるデータ収集・分析時間の例
- ウェアラブル製品の規制対応と課題
市場拡大が見込まれるウェアラブル機器市場だが、“携帯”から“装着”に変わることで利便性と同時にリスクも増大する。本稿では、こうしたウェアラブル製品に対するリスクと規制の現状および課題について解説する。
- ウェアラブルなど組み込み向けNANDフラッシュ、東芝が発売
東芝がウェアラブルデバイスやプリンタ、産業用ロボットなど組み込み用途に向けて、SLC NAND型フラッシュメモリを投入する。SPI互換とすることでビットコストを意識するベンダーへ向ける。
- ウェアラブル機器の消費電力を3分の1にするミドルウェア、富士通が開発
富士通研究所はウェアラブル機器向けに、省電力かつシステム実装を容易にするミドルウェアを開発したと発表した。本技術の導入により、工数は10分の1、消費電力は3分の1まで低減できるとしてる。
- ウェアラブル端末とモノのインターネットは「現場」の救世主となるか?【後編】
製造現場や保守現場、建築現場など、多くの「現場」の救世主として注目を集めるウェアラブル端末とIoT(モノのインターネット)。前編では、ウェアラブル端末とIoTの現場活用における期待と、それを集めるようになった背景を解説した。今回の後編はこれらを活用した現場における先進事例と将来像について紹介する。
- ウェアラブル端末とモノのインターネットは「現場」の救世主となるか?【前編】
製造現場や保守現場、建築現場など、多くの業種においてさまざまな「現場」が存在しているが、その現場が今“悲鳴”を上げていることをご存じだろうか。その救世主として今急速に注目を浴び始めたのが、ウェアラブル端末とIoT(モノのインターネット)だ。本稿では、前編で「現場」の現状となぜウェアラブル端末に注目が集まるのかについて、後編でICTを活用した「現場」の将来像について解説する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.