日立製作所は、爆発物の有無を3秒で検知し、全員検査を可能とした「ウォークスルー型爆発物探知装置」の提供を開始した。発電所や化学プラント、データセンターなどの重要インフラ向けでの提供を行う
日立製作所は2016年9月29日、3秒で爆発物の探知を行える「ウォークスルー型爆発物探知装置」の提供を開始したことを発表した。まずは発電所やデータセンターなどの重要インフラ向けで提供を開始し、その後公共施設や工場、イベント会場などへ展開していく方針だ。
従来の危険物に対する検査では、X線検査装置や金属探知機によるバルク検査と、微量成分検査装置によるトレース検査を組み合わせて行われているが、それぞれで課題を抱えている。バルク検査については、爆発物が少量の場合は探知が困難である他、危険物質などを特定できないという弱点を持つ。一方で、トレース検査については、スループットが低く運用面での負担が大きいという点が課題となっている。
日立製作所 サービス&プラットフォームビジネスユニット 大みか事業所 制御プラットフォーム統括本部 セキュリティセンタ センタ長の花見英樹氏は「トレース検査はワイプ布で検査対象物から付着微粒子をふき取って微量成分検査装置を使って計測するというもので、作業員が必要な上一回ずつの検査に多くの時間が必要だった。そのため運用的にも全数検査が難しい状況があった。今回の新製品はこれを解決するものである」と述べている。
新製品「ウォークスルー型爆発物探知装置」の最大の特徴が約3秒という短時間で爆発物の判定を行えるという点にある。これにより、通過者全員を簡単にチェックすることができ、さらに通行の流れを妨げることがない。1時間に1200人というペースで検査することが可能であるという。
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