enmono三木 われわれは勝手に野下さんのことをサバイバル発明家とお呼びしているんですが、そのサバイバル発明家という名前はいかがですか?
野下 最初はびっくりしました。だけど、相手に対するインパクトが強烈なので。
enmono宇都宮 名刺を出すと……。
野下 必ず言ってきます。「サバイバル発明家……なんですか?」と。ですから使わせていただくことにしました。
野下 宇都宮さんからサバイバル発明家という肩書を付けたらどうかと言われたので名刺に入れたんですけど、今ではちょっと気に入ってます。「インパクトがあって相手の心の中に残るな」ということで。
enmono宇都宮 実際サバイバル活動っていうのは関心がおありなんですよね。
野下 ものすごくあります。
enmono三木 どういうところでサバイバル活動しているんですか?
野下 アウトドア(野外)。最低限のものしかないところで、どうやって工夫して生きていくか、生活していくかということを考えるのが面白いです。「(必要なものを)忘れてきたら何かで都合する」「ないものは他のものを使う(代用)」、それで生き延びるというのは非常に面白いですね。自分は今まで経済的にも人生的にもサバイバルでやってきました。本当に人生サバイバルだと思います。
enmono三木 野下さんを見ていると「命さえあればなんとかなるんだな」と分かるようになってきました。生きていればなんとかなる。そういう生き方が70歳の発明家を生んだと。
野下 70歳なんて言わないでください。僕はトレーニングジムへ行ったら、みんなから50歳か55歳くらいだって言われるので、「ああ、そう思ってください」と言ってます。20歳から30歳の頃は、50歳なんて僕はとてつもなくオジイだと思っていたんです。
enmono三木 ちょうど年齢の話が出てしまったので、日本の他の70歳の方々にエールをお願いしたいんですけど。
enmono宇都宮 同級生に会うことはあるんですか?
野下 あります。皆、棺おけに片足突っこんでます。両足突っこんでる人もいるし。もう話すことは死ぬこととか葬式の話とか、誰々が死んだとか……、後は病気の話か出てこない。だからめいっちゃいます。
enmono宇都宮 発明の話をしたらいいんじゃないですか?
enmono三木 私は今こんなの発明していますとかね。
野下 あまりピンとこないと思います。それよりもジムで若い子と話している方がもっと面白い。もっと話が合うし。みんな身体を見てリスペクトしてくれるし。顔と身体の釣り合いが合わないから、みんな僕に歳を聞く。顔はどう見ても60歳、だけど身体はどう見ても20〜30歳。
enmono三木 20〜30歳(笑)。
野下 ええ。(同世代に向けて)言いたいことは長く続ければみんなこうなる。自分の歳は考えない方がいいかも分からない。この歳だからこういう形でやるっていう風に考えない方がいいかもしれない。
enmono三木 継続が力。
野下 そうですね。
enmono宇都宮 僕らも50歳――アラフィフなんで。でも同年代の人たちとなかなか話が合わないんですよね。
enmono三木 はい、全然合いません。間違いないです。
野下 歳を言ってしまったらみんなステレオタイプで見るんですよ。70歳、こういうタイプ。もうよぼよぼでどうしようもない。そういう印象だから歳を言いたくない。
enmono三木 でもプレスリリースしちゃいましたからね。
野下 ああ〜。バレちゃったなぁ。
enmono宇都宮 「アレはウソです」と。
野下 (笑)。
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