3D CADの3Dプリントをする際には、ユーザーはSTLなど3Dプリンタ用のフォーマットに変換するのと併せ、造形するのに耐えうるデータであるかチェックしたり修正を加えたりといった作業が必要だ。GrabCAD 3D Printを介することで、3Dプリントに適したデータに変換される。ユーザーはとにかく出力したいCADファイルを、ネイティブデータか中間ファイルかを気にせずに選択すればよく、“変換作業”を意識する必要がなくなる。データチェックや修正の作業もGrabCAD 3D Printの画面で簡便に行える。
3Dプリンタのプロジェクトデータは同ソフトウェアによりクラウド上で管理され、遠隔のPCや携帯端末からもアクセス可能となる。プロジェクトマネジャーの機能では複数の装置を分かりやすい一覧で管理でき、装置の稼働状況や造形の進捗、材料残量などがリアルタイムに確認できる。
2016年末までにはGrabCAD 3D Printの商用版を提供開始し、言語については日本語を含む8カ国語に対応する予定だ。ソフトウェアの基本利用料は無料だが、機能追加などが有料となる見込みだ。ただし価格にまつわる詳細は現在未定となっている。商用版提供開始時にはWeb版も併せて提供する予定だ。
商用版リリースに合わせ、現時点対応する「uPrint」「Fortus 250mc」「Dimension」といったFDM系機種の他、インクジェット方式のObjet系機種にも対応を広げていく。マルチカラー・フルカラー機種向けとして、カラーやテクスチャのデータもCADデータから直接読み込んで、3Dプリントにそのまま生かせるようにするということだ。
「商用化に向けて、GrabCADユーザーからのリクエストを集めながら機能を改良し、アセンブリなど大規模なデータの表示速度向上や操作時のレスポンス改善にも取り組んでいる」(トーマス=ルポア氏)。
「将来は、GrabCAD 3D Printからサービスビューローへ直接データを送る手段を検討したり他社の3Dプリンタにも対応したりなどして、ユーザーに提供可能なサービスの幅を広げていきたい」(クリーガー氏)。
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