コニカミノルタの医療関連事業というと、X線撮影装置や超音波診断装置、医療ITシステムが広く知られている。会見で紹介したケアサポートソリューションは、2016年4月から販売を始めた介護市場に向けた新たな商材となる。
原口氏は「高齢化の進む国内で介護市場は拡大傾向にある。しかし、その市場拡大に合わせて介護従事者の数が増えているわけではない。効率よく介護を行えるケアサポートソリューションによって、介護従事者不足という課題の解決に貢献できると考えている」と述べる。
ケアサポートソリューションのコンセプトはセンサーとのスマートフォンによるワークフロー変革である。介護の個々の現場の非効率性や、現場とバックヤードの情報共有を人手で行っている非効率性を解消するのが狙いだ。
ケアサポートソリューションの核になるのが、近赤外線を利用する「動体検知センサー」と、マイクロ波を利用する「微体動検知センサー」だ。この2種類のセンサーを1つのユニットにして天井などに設置し、介護対象者の状態を常時モニタリングする。朝目覚める「起床」や、ベッドから起き上がる「離床」、睡眠時における「呼吸異常」なども検知して介護従事者に知らせる。介護対象者が転倒/転落した際には、ドライブレコーダーのように映像を記録するので、家族への説明や訴訟対策に有効だという。
介護対象者の情報は、介護のスタッフステーションに設置されたPCで把握できるとともに、介護従事者が持つスマートフォンにも介護に必要な情報が送られる。このスマートフォンを使えば、介護記録をその場で作成することもできる。
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