IoTは「つながるモノ」を提供するのではなく、「つながることで得られる価値」を提供するものです。それだけに提供側の組織には意識の変化が求められるようです。
普段はモノ(Things)を中心とした取材をしていますが、IoTの「I」はInternetの「I」なので、あえて5月中旬から6月上旬はITやネットワーク系のイベントや展示会に足を運びました。「Jave Day」に「de:code」「AWS Summit」「Interop」と主催や規模はそれぞれですが、IoTについての話題は程度の差こそあれ、どの催しでも見ることができました。
これはIoTという概念がさまざまな業種業界に影響を及ぼすことの現れでしょうし、Interopで講演した東京大学の森川博之教授は「IoTの概念によってIT/ICTがようやく全ての産業に影響を与えるレベルに達した」と評します。
加えて森川氏は埼玉県のバス運行管理システムや高知県のスーパーマーケットチェーンが手掛ける古紙回収といった例を挙げ、IoTへの関心の高まりが既に関心の域を超えて実際に利用されていると紹介し「今の技術でIoTは実現できる」とします。ですが、同時に実現に際しての問題点も指摘します。
技術者が「システム構築側に多く、実際のサービスを提供する側に少ない」ことを森川氏は指摘しますが、より強調したのが「組織としてのフットワーク」です。
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