動的解析とは、動作するソフトウェアを対象として、動作速度やメモリの使用状況、並列処理の実行状況を解析するための技術です。
通常は動的解析ツール上で対象となるソフトウェアやテストケースとなるプログラムを動作させることで、解析を行います。そうした解析を“ソフトウェアを動作させる”ことで行うので「動的」と呼ばれます。動的解析ツールというと仰々しい感じがしますが、デバッガも動的解析ツールの1つといえば親近感を感じてもらえるかと思います。
動的解析としては前述したデバッガの利用が一般的ですが、最近は動作状況の可視化技術が進んだり、デッドロックやメモリ破壊を検出できたり、実行時間をより精密に計測できたりと、高度な解析ができるようになってきているので、専用の動的解析ツールを使うことで、テストだけで動作を確認するより、効率的に欠陥を見つけることができます。
最近の動的解析ツールでは、以下の様な解析ができるようになっています。
この連載では、上記の静的解析、動的解析について、これらをソフトウェア開発の中でどのように活用していくのかについて紹介していきます。
静的解析や動的解析を導入していくための準備(開発上の実施タイミングの検討、ツール選定)についてや、実際に静的解析や動的解析の結果を品質向上にどのように生かすのかといった、単なるツール紹介ではない内容にしていこうと考えています。今のところ、動的解析、静的解析の順に解説を進め、計9回程度になる予定です。
数カ月に渡る連載となりますが、お付き合いいただけましたら幸いです。
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