これらは完全に自動化された個別生産システムをイメージしたプロトタイプであるが、見えないポイントとしてこれらの管理や制御を全てクラウドで行っているところにある。KUKAでは新たに独自のクラウドサービスを提供する方針を示しており、「KUKA Connect」と名付けて開発を進めている。まだ開発中の段階だが、スマートファクトリーのデモもこのクラウドをベースに管理と制御が行われており、稼働状況などのステータスなどの情報を全てクラウド上に収納しているという。
同様に「個別生産」を実現するデモとして披露されたのが「ロボットが注文通りにコーヒーを作る」というものだ。こちらはカップの下にあるQRコードを読み込み、スマホからコーヒーの種類やドリップの種類などを選び、カップを所定の位置にセットする。するとロボットが、QRコードリーダーの設置場所に運んでその情報を読み取り、コーヒーマシンで注文通りのコーヒーを入れる。さらにもう1台のロボットに渡し、注文通りのドリップを入れ、手渡し場所まで持っていくというものだ。こちらは物珍しさもあり多くの来場者に人気となっていた。
スマートフォンケースの個別製造も現状では、注文から出来上がりまで3時間以上かかる場合もあったという。さらに、コーヒーマシンでも実際にはまだまだ人が入れた方が早いという状況である。マスカスタマイゼーションで描く世界を商用化に導くまではまだまだ遠いといえるが、「顧客が注文してから人手を介さずに製品が届く」という世界の構成要素は出そろいつつあるといえるだろう。
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