川崎重工は、ハノーバーメッセ2016において、2015年6月に発売した人間協調型の双腕スカラロボ「duaro(デュアロ)」をアピール。競合他社が6軸双腕を中心とする中、4軸である高コストパフォーマンスとプログラム負荷の低減を強みとする。
川崎重工業(以下、川崎重工)は、ハノーバーメッセ2016(2016年4月25〜29日、ドイツ・ハノーバーメッセ)において、人間協調型の双腕スカラロボ「duaro(デュアロ)」を中心にアピールを行った。デュアロは2015年6月に発売を発表※)して以降、日本では国際ロボット展などの展示会に出展していたが、欧州での展示会で紹介するのは初めてだという。
※)関連記事:1人分のスペースで作業できる人共存型の双腕スカラロボットを発売
デュアロは、人の動作に必要な領域や両手の動き、両腕の独立した動きなどをそのまま再現できる同軸双腕構成の産業用ロボットである。胴体から水平に伸びた2本のアームが対になって動くため、人が両腕で行う作業を人1人分のスペースで置き換えることができる。また、低出力モーターやエリア監視による速度低減機能などにより、人との共存作業が可能。人と衝突した場合でも、瞬時にロボットが停止する衝突検知機能も備えている。
「人とロボットの協調」については、製造現場革新への取り組みからも大きな注目を集めており、特に双腕ロボットについては、人の作業をそのまま置きかえることが可能である点が期待されている。一方で、市場がまだ形成途中であるにもかかわらず、ロボット関連企業の参入が相次いでおり、特徴を打ち出すのが難しい状況になっている。
これらの状況に対し川崎重工では「競合他社が6軸の双腕ロボットを開発する中でデュアロは4軸の双腕ロボットである点が特徴だ。現在の用途では4軸の動作で十分機能すると判断した。その分、モーター数を減らすことができコストを下げることができる他、プログラムなどの負荷も低減できる」(川崎重工業 ロボットビジネスセンター 海外営業部 海外営業二課 緋田悟士氏)としている。
既に欧州の主要顧客への提案は進めているとしているが「反応はよい。組み立て工程への導入で検討するケースが多い」と緋田氏は述べている。欧州市場に対しては認証の問題から、現在は安全柵を用意した形で販売しないとならないが、6月以降は安全柵なしでの販売が可能となるため「販売を本格化させたい」(同氏)と述べている。
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