グーチョキパーツ社長に「第4次産業革命をうちもやらんといかん」といわれて以来、矢面氏は印出氏の研究所に入り浸っています。さて、今日もまた訪ねてきたようですよ。
こんにちは! 印出さん、今日もお話を聞きに来ましたよ!
こんにちは。矢面さん。しかし、あなた本当によく来るわね。お仕事の方は大丈夫なの?
もちろんですよ! 私は今、社長から「君はもう、第4次産業革命の特命係長みたいなもんやな。好きにやりなはれ」と言われていますからね。調査のために出歩くのは問題ないんですよ。
それにしてもあなた、ここのところ毎日来ているけど、他にもどこか行っているの?
いえいえ。まずは印出さんの教えをマスターしないとね。
矢面氏はすっかり印出氏を頼り切っているようですね。さて、今日も話は「インダストリー4.0」についてのようです。矢面氏はなぜドイツがこうした取り組みをしているのかに疑問があるようです。
ドイツには自動車メーカーや製造機器メーカーとか、強い製造業がありますよね。なんでドイツがここまで必死になって、新しいやり方を追い求めるようになったんですかね。
いい質問ね。それはドイツ政府にも強い危機感があったからだといえるわね。
ドイツの「インダストリー4.0」は、2011年11月に公布された「High-Tech Strategy 2020 Action Plan(高度技術戦略の2020年に向けた実行計画)」というドイツ政府の戦略的施策の1つです。総合的なドイツ連邦政府の産業振興策の1つとしてさまざまな検討がなされた上で生まれたといえます。こちらについては連載「ドイツが描く第4次産業革命『インダストリー4.0』とは?」で詳しく紹介していますのでご覧いただければと思います。
さて、ドイツ連邦政府がこうした産業振興政策を推進したきっかけとして、印出氏は「危機感」があるといいます。それではこの危機感の中身を見ていきましょう。
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