市販カーナビの大画面化で新提案、フローティング構造が200車種対応を実現車載情報機器(2/3 ページ)

» 2016年03月30日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

突き出すから車種は関係ない

 新製品のストラーダ CN-F1Dは、本体は2DINサイズのままでダッシュボードに組み込み、ディスプレイを別体で5cm程度、突き出た状態にする「フローティング構造」とした。ダッシュボードに収めないため車種別のパネルは不要になる。また、ダッシュボード表面よりもドライバーとの距離が近くなるため、フローティング構造の9V型ディスプレイは、ディスプレイサイズ10V型をダッシュボードに組み込んだ場合と同等の視認性が得られるとしている。

実際の車両に取り付けた様子手前に倒してディスクなどを出し入れする 実際の車両に取り付けた様子(左)。手前に倒してディスクなどを出し入れする(右) (クリックして拡大)

 フローティング構造のディスプレイ可動部は、高さを32mm、奥行きを19mm、角度を−20〜60度の範囲で調整可能だ。取り付け時に奥行きは固定するが、高さや角度は自由に調整できる。CDやDVDなどの出し入れはディスプレイを手前に傾けて行う。

 AIS社では、軽自動車50車種を含む144車種を対象に実際にストラーダ CN-F1Dを装着し、シフトレバーやハザードランプの操作に影響が出ないことを確認している。今後もさらに確認作業を進め、搭載可能車種を200車種以上に広げる。

スズキホンダ 軽自動車でも大画面のカーナビを装着することが可能に (クリックして拡大)

 ディスプレイを本体から突き出すフローティング構造は1年半もの開発期間を要した。振動や音の発生を抑えるのに時間がかかったという。製品は「角度や高さを調整する際に少し力が必要な固い可動部となっている。滑らかに軽い力で動くようにすると、車両の振動で音が発生してしまうからだ。可動部の動かし方について議論を重ねた」(AIS社の説明員)。

スイッチはディスプレイの縁に配置してデザイン性を高めた スイッチはディスプレイの縁に配置してデザイン性を高めた (クリックして拡大)

 ディスプレイをダッシュボードから突き出すことで、デザインの自由度も増した。メニューやオーディオ、ナビゲーションの画面を表示するスイッチはディスプレイの縁に配し、フレームにはアルミニウム素材を採用することで、高級感がありスタイリッシュな造形を目指した。

文字入力VICS WIDE1VICS WIDE2 大画面で文字入力も便利に(左)。VICS WIDEサービスに対応しており、ゲリラ豪雨や噴火などの災害速報を受信できる(中央、右) (クリックして拡大)

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