DMM.comがベンチャーの“海外展開”を一手に引き受けるベンチャーニュース

DMM.comは2015年2月9日に東京都内で会見を開き、日本国内のハードウェアスタートアップの海外展開を支援する「DMM.make Distribution」を同日より開始すると発表した。

» 2016年02月10日 09時00分 公開
[陰山遼将MONOist]

 DMM.comは2015年2月9日に東京都内で会見を開き、日本国内のハードウェアスタートアップの海外展開を支援する「DMM.make Distribution」を同日より開始すると発表した。

 同社では2014年に東京都秋葉原にDMM.makeを立ち上げるなど、ハードウェアスタートアップの支援事業を展開してきた。DMM.make Distributionの展開はこうした流れに続くもので、日本から海外へ家電製品の流通・販売を支援する「輸出型販売代理店業務」を行う。ベンチャー企業にとってはハードルが高い海外地域へのハードウェアの流通・販売などを支援していく狙いだ。

「DMM.make Distribution」の概要(クリックで拡大)

 DMM.make Distributionのシニアバイスプレジデントを務める板谷稔氏は「ソフトウェアは言語や文化の違いにより他国では受け入れられにくい面があるが、ハードウェアは海外展開に向いている。日本国内でもここ数年でユニークな製品を開発するハードウェアベンチャーが登場している。しかし、国ごとに異なる法制への対応、安全認証の取得、アフターサービスなど、ハードウェア特有の障壁も存在する。われわれはこうした課題のサポートを行い、ハードウェアベンチャーの海外地域における流通網の確保などを支援していく」と述べる。

DMM.make Distributionの板谷氏。元大手家電メーカーで家電製品の海外販売業務などを手掛けていたという

 既にDMM.make Distributionではアメリカ、欧州、インド、ドバイ、中国、香港に営業拠点を確保している。アメリカ拠点がカナダを、インドとドバイの拠点が中東地域をカバーすることで、世界の主要エリアで製品を流通できる体制を整えた。これらの拠点を活用して日本のハードウェアスタートアップの製品を世界に展開していくという。なお、こうした流通網については、AmazonなどのECサイトも含まれる。

 ハードウェアスタートアップがDMM.make Distributionを利用したい場合、相談などについては無料で対応する。どのようなビジネスモデルとして運用していくかについては「複数のパターンが考えられるが、DMM.make Distributionで製品を買い取り、リセールするような形式が主流になっていくと考えている」(板谷氏)としている。

 既にDMM.make Distributionでは、Cerevo、UPQ、zecOOなど、DMM.makeで活動しているハードウェアスタートアップの販売支援を開始。なお、DMM.makeDistributionのテクニカルアドバイザーにはCerevo代表取締役の岩佐琢磨氏が就任。Cerevoでは既に製品販売量の約半数近くが海外地域での販売となっており、40各国以上で展開している実績がある。必要に応じてこうした実績に基づく知見やノウハウを提供していくとしている。

 なお、DMM.makeDistributionはこうした国内ハードウェアスタートアップの“輸出”だけでなく、「輸入型販売代理店」として海外企業の日本展開も支援していく計画だ。また、自社ブランドを掲げない企業に対しては“DMMブランド”を貸し出しを行う。その第1弾としてUSBケーブルなどのてデジタル家電系の定番アイテムを低価格で販売していくブランド「DMM.make BASIC」も立ち上げた。「DMM.make Store、楽天市場店」などで販売していく計画だ。

「DMM.make BASIC」で展開する製品の一部(クリックで拡大)

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