ジューコフスキー翼を作図してみる無償ソフトで流体解析(4)(2/4 ページ)

» 2016年02月05日 10時00分 公開
[伊藤孝宏MONOist]

ジューコフスキー翼を作成する

 今回は解析事例として翼周りの流れを紹介します。始めにジューコフスキー翼を作図してみます。ついで、ジューコフスキー翼に適度な角度を付けた状態で、Flowsquareによる解析を行い、揚力の発生する仕組みや失速について見てみます。

 ジューコフスキー翼は、図2に示す円に、ジューコフスキー変換と呼ばれる(1)式で示す座標変換を施すことで図3に示すような形状として得られます。


図2:ξ-η平面の円
図3:ジューコフスキー変換による翼型

 ζは円を複素数で表した変数で、zは変換後の変数です。円の中心(ξ0、η0)を原点からずらすと、翼の厚みや反りを変えることができます。ξ0を大きくすると翼の厚みが増します。また、η0を大きくすると、翼のそり率が増します。具体的には、(1)式から実数部と虚数部を求めた(2)式と(3)式に、ξ0とη0から求まるcと、ξ0とη0を中心とした半径1の円の座標(ξ、η)を代入すると、翼型が求まります。次いで、迎角分だけ座標回転させると、図4の翼型が得られます(迎角とは、翼弦線と主流とで成す角度)。


図4:迎角(5度)分の回転

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