ホンダは、両足だけで運転操作を行える補助装置・フランツシステムの装着が可能な「フィット ハイブリッド」を2016年3月中旬に発売する。国内でフランツシステムを提供しているのはホンダだけだという。
ホンダは2016年1月15日、両上肢での運転操作が困難な場合に、両足だけで運転操作を行える補助装置・フランツシステムの装着が可能な「フィット ハイブリッド」を同年3月中旬に発売すると発表した。
フランツシステムは、左足の前後回転運動でステアリングを操作できる足動運転補助装置として、1965年にドイツで開発された。ホンダは1981年、開発者であるエーベルハルト・フランツ氏からの技術指導のもと独自の技術も加えて、1982年に国内初のフランツシステムを販売している。現在、国内でフランツシステムを提供しているのはホンダだけだという。
今回、フィット ハイブリッドに装着するフランツシステムは、利便性や快適性をさらに向上させるとともに、各ユーザーが最適に利用できるようにオーダーメイドでの注文がにも対応している。
フランツシステムのステアリング操作は、ステアリングペダルに装着された左足側の靴をはき、自転車のペダルをこぐように回せば、左方向への操舵を行える。右方向に操舵したい場合はペダルを逆側に回せばよい。
ステアリング操作を行う左足側に対して、右足側にはアクセル、ブレーキ、足用シフトペダルが配置されている。走行する際には、左足でステアリング操作を、右足でアクセル/ブレーキ操作を行うことになる。
足用シフトペダルでは、パーキング(P)、リバース(R)、ドライブ(D)、ロー(L)、ニュートラル(N)などのシフト操作を行う。右足を使って、足用シフトペダルを左右に回す/前後に倒すという2つの動作を組み合わせることになる。パーキングは左に回す、リバースは右に回してつま先側を踏む、ドライブは右に回してかかと側を踏む、ローはかかとを踏む、ニュートラルは右に回して保持、という動作だ。
足用シフトペダルでのシフト操作は停車時に行うが、右足だけで足用シフトペダルとブレーキレバーの両方を操作はできない。そこで、ブレーキを踏み込んだ状態をロックするブレーキロックレバーが用意されている。これで、足用シフトペダルでのシフト操作を安心して行える。
足用サイドブレーキは、左膝を使ってアームを上げるとサイドブレーキがかかる構造になっている。サイドブレーキがかかった状態から、さらに後ろにアームを引くと解除される。
この他、ドアを閉めると自動的に着用できるパッシブシートベルトや、左膝でワイパーを操作できる左足用ワイパーレバー、右膝でウインカーレバーを操作できる右足用ウインカーレバー、右足元に集中してスイッチ類を配置した足用コンビネーションスイッチなども用意されている。
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