次に、車両内側の中央付近にあるリブを作成します(図37)。
[Offset Plane(オフセット平面)]を用い、前輪中心より「30mm」後方に平面を作り、図38のようにスケッチを作成します。図38の右図にあるオレンジ色の水平線が地面となります。
双方に「0.6mm」ずつ押し出し、[Combine(結合)]−[Cut(カット)]を使用してボディを分割。ミラーを実行してリブを左右対称に作成して、[Combine(結合)]−[Join(追加)]でボディと一体化します(図39)。その際、「Keep Tools」のオプションに注意してください。
最後に、前部のフック形状を作成します。YZ平面に図40のようなスケッチを描画し、L字部分を左右対称に「6.5mm」ずつ押し出します。
次に、今作成したL字形状を補強するリブを車長方向に作成します。[Extrude(押し出し)]を使って図41のように、両方向に「6.5mm」と「−5mm」押し出します。
図42のように、[Chamfer(面取り)]と[Fillet(フィレット)]を作成します。
先ほどと同じ要領で、作成したフック形状をベースのボディで[Cut(カット)]し、[Join(追加)]して完成です!
今回は最終回ということもあり、工程が長くなりました。ここまで本当にお疲れさまでした。
全6回にわたり、「無償3次元CADによる『ミニ四駆』ボディ設計講座」の連載を続けてきましたが、いかがでしたでしょうか? 初めての方は、慣れるまではいろいろと大変だったかもしれませんが、これだけのことができる3次元ツールが無料で使えるようになったとは、本当に隔世の感があります。ここまで付いてこられた方は、T-Splineによる自由曲面の操作や、MODEL環境との組み合わせにより、自動車のような形状をかなり細かく作り込めることが理解できたかと思います。
本連載はモデリングを完成させていったん終了となりますが、実際にミニ四駆のシャシーに載せて遊ぶには、これを実体化させる必要があります。つまり、この3Dデータを「3Dプリンタ」で実物にすることが次のステップとなります。次回お届けする、ミニ四駆ボディ設計講座の「第2章」では、3Dプリントする際の基礎知識や出力サービスの利用などについて解説する予定です。
長期間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。また第2章でお会いしましょう! (連載完)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.