鋳造は、紀元前4000年ごろにメソポタミアで始まったといわれている。長い歴史の中で、鋳物はいつの時代も重要な役割を果たしてきた。その技術は、今日まで進化しながら受け継がれてきている。
三共合金が実用化に成功した凍結鋳造は、今はまだ制約も多い。本格的に稼働し、普及していくのはこれからだ。それに関して松元さんは、「日々進化する技術が課題や制約を解決していくでしょう」という。
そのためには若手技術者の育成が必須だ。職人の高齢化が進む業界の中で、同社は若手人材の育成にも積極的に取り組んでいる。
地元高校生を対象とした「ものづくり分野の人材育成・確保事業」にも協力し、熟練技能者の技術を間近に見せて体験する機会を設けている。また、卒論のテーマに凍結鋳造を扱う大学生が、同社のプラントを使用しにくることもある。
こうした取り組みがあるため、凍結鋳造やKSハードに興味を持った新入社員が入社してくるのだ。
「実務の点からいえば、50代の熟練工を雇う方が効率がいいでしょう。けれど、若手社員は会社に熱気を送り込んでくれます」と松元さんは、彼らの熱意に期待を寄せている。
雑誌の編集、印刷会社でDTP、プログラマーなどの職を経て、ライターに転身。三月兎のペンネームで、関西を中心にロボット関係の記事を執筆してきた。2013年より電子書籍出版に携わり、文章講座 を開催するなど活躍の場を広げている。運営サイト:マイメディア
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.