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» 2015年12月03日 08時00分 公開

ルネサスの第3世代「R-Car」が半自動運転を可能にする車載半導体(2/2 ページ)

[齊藤由希,MONOist]
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「第4世代ではクルマの高機能化に合わせて“知性”を持たせていく」

 スループット性能は第2世代のR-Car H2から大幅に向上した。ARMの64ビットアーキテクチャCPUコア「ARM Cortex-A57/A53」を採用し、従来比で1.6倍の4万DMIPS(Dhrystone Million Per Second)を実現。また、GPUはImagination Technologiesの「PowerVR GX6650」を採用してシェーダー演算性能を従来比3倍に高めた。動画処理コアはルネサス独自のものでR-Car H2の2倍の処理性能とし、4K映像の表示まで可能になる。

ローレイテンシ性能とスループット性能のバランス基本性能を大幅に向上 スループット性能とローレイテンシ性能のバランス(左)。基本性能も大幅に向上した(右) (クリックして拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス
ローレイテンシ性能を追求 ローレイテンシ性能を追求(クリックして拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 ローレイテンシ性能を確保するため、画像認識や分岐処理はルネサス独自の並列プログラマブルコア「IMP-X5」で行う。従来の「IMP-X4」と比べて4倍の画像認識処理性能を実現した。

 CPUやGPUのみでスループット性能を実現するとHMIの応答性が損なわれる。しかし、センサーフュージョンや認識、判断処理のそれぞれで最適なアーキテクチャを使い分けることで「車載用として現実的なコスト、性能を可能にできる」(ルネサス 車載情報戦略部 部長の吉田正康氏)という。

 また、メインメモリにLPDDR4を採用することで、メモリバンド幅をR-Car H2の4倍となる50Gバイト/sに引き上げ、同時並行での動作や情報処理が可能になった。

サラウンドビューやCG描画、4Kの映像表示を並行して実行できる前方監視の映像やナビ情報を同時に表示できる サラウンドビューやCG描画、4Kの映像表示を並行して実行できる(左)。前方監視の映像やナビゲーション情報を同時に表示できる(右)(クリックで拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 高速のDDRメモリは基板の配線設計を行う際に負担となる。そこで、SoCとDDRメモリを1パッケージに収めたSIP(System in Package)モジュールを用意。設計工数を削減し開発期間の短縮に貢献する。

 R-Car H3では、ハードウェア設計だけでなく、ソフトウェアの開発負担も軽減する仕組みも盛り込んだ。

 第2世代品であるR-Car H2や、「R-Car M2」、「R-Car E2」、サラウンドビュー向けの「R-Car V2H」、カメラをネットワーク化する「R-Car T2」、車車間/路車間通信用の「R-CarW2R」との互換性を持たせる。また、将来発表するR-Car M2やR-Car E2の第3世代品との互換性も確保し、ハイエンドからミッドレンジ、エントリーレベルまで広く開発を効率化する。

 また、170社以上が参加する「R-Carコンソーシアム」を通じて、自動運転技術や先進運転支援システムの開発をサポートしていく。

第3世代品のプラットフォームソリューションパートナー拡大中のR-Carコンソーシアム 第3世代品のプラットフォームソリューション(左)とパートナー拡大中のR-Carコンソーシアム(右) (クリックして拡大) 出典:ルネサス エレクトロニクス

 今後のR-Carプラットフォームは「第4世代ではクルマの高機能化に合わせて“知性”を持たせていく」(大村氏)方針である。また、高精細なHMI表示に対応してサラウンドビューも進化していくことから、「R-Car V3Hを出す可能性もある」(同氏)としている。

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