ET2015のインテルブースはどのようなユーザーメリットを実現するかというソリューション展示が主力となっており、キャッチフレーズ「Intel inside , Innovation outside」を象徴する内容となっている。
インテルは2015年11月18〜20日までの3日間、パシフィコ横浜で開催されている「Embedded Technology 2015/組込み総合技術展(ET2015)」に出展、プロセッサパワーを生かした組み込みソリューションの数々を展示している。
同社は新たなIoTリファレンスアーキテクチャと組み込み用プロセッサを発表したばかりだが、ブースは同社製品を使ってどのようなユーザーメリットを実現するかというソリューション展示が主力となっており、ブースのキャッチフレーズ「Intel inside , Innovation outside」を象徴する内容となっている。
“Innovation outside”の展示例は多数用意されているが、人目を引くのは、エンパシの「IoTタクシー」やブイシンク/サンデン・リテールシステムの高機能サイネージ搭載自動販売機「スマートベンダー」、Memomi Labsの「Memory Mirror」などだ。
IoTタクシーは車内にAtom搭載タブレットを用意、ナビゲーションや決済、配車予約などタクシー機能が集約する他、アクセルやブレーキの情報をOBD II経由で収集、クラウドで分析する。スマートベンダーは多言語対応のデジタルサイネージを搭載しており、KINECTを利用したARコンテンツ再生機能によるエンターテイメントも購入者に提供する。
Memomi Labsの「Memory Mirror」は上部に搭載したカメラによって、来客の服装の色と顔を認識。洋服のカラーバリエーションを案内する他、顔の認証によって再訪問客ならば前回とは違う色を提案するなど、接客業務の効率化も狙う。既に国内アパレル販売店でも導入実績がある。現段階での機能は色検出によるカラバリの提示と来店者認証となっているが、将来的にはグラフィックの向上による“バーチャル試着”にも意欲を示している。
ブース内で異彩を放つのが「IoTベンチャーズ」のコーナーだ。1枚のパネルを見ると照明と空調をクラウドに連携させて省エネを図り、天井にセンサーやビーコンを設置してO2Oを提供と一見すると新味はないが、企業がそれぞれ得意とする製品やサービスを持ち寄り、屋内施設向けIoTソリューションを提供するという趣旨だ。
これは自社だけでの大規模ソリューション展開が難しい企業が、IoTへどのように関わっていくかをインテルが後押しする取り組みと言える。なお、この取り組みは中堅中小企業に活躍の場を提供するものとして「ET/IoT Technologyアワード」の特別賞を受賞している。
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