モノの管理を実現するデモで特に注目を集めたのが物体指紋認証技術である。こちらも既に福島工場で実証実験を進めているものを簡略化して展示した。物体指紋とは、金属やプラスチック製品/部品を製造する際に自然発生する、微細で固有な紋様を指す。工業品であってもそれぞれが別個の紋様を持つため、生物の指紋と同様に、個々の認証に活用することが可能だ。物体指紋認証技術とは、この物体指紋をカメラにより撮影し認証を行う技術である。
同社福島工場では、この物体指紋認証技術を使って、バーコードやRFIDによる個体管理が不便なプリント基板の管理を実現している。生産工程内で、プリント基板の側面を読み取るカメラを設置し、工程の通過状況が把握できるようにしているという(図2、図3)。
さらに、人工知能ソフトウェア「RAPID機械学習」を活用した作業員の異常作業の検出などのデモも紹介した。これは、装置組立ラインのカメラ映像から、作業員の異常作業をリアルタイムに自動検出し、不良発生リスクをその場で検出・手直しできるようにするというものだ。
また、福島工場での実証実験ではなく、今後掛川工場での実証実験で導入予定の「センサー情報分析による加工品質見える化」ソリューションなども紹介。これは、プレス機に取り付けたセンサーの情報からプレス品質を管理するというものだ。センサー情報をクラウドで収集して品質状況の管理を行うため、不具合の早期解決や未然防止などに役立つ。クラウド対応しているため、スマートフォンやタブレットなどで加工状況を確認することなども可能だとしている(図4、図5)。
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