ホンダは、「CEATEC JAPAN 2015」において、燃料電池車や電気自動車の電力を外部に供給する外部給電装置「Power Exporter 9000」の市販モデルを披露した。2016年3月末までの発売を予定している燃料電池車の市販モデルと同時に市場投入する予定だ。
ホンダは、「CEATEC JAPAN 2015」(2015年10月7〜10日、幕張メッセ)において、燃料電池車や電気自動車の電力を外部に供給する外部給電装置「Power Exporter 9000」の市販モデルを披露した。2016年3月末までの発売を予定している燃料電池車の市販モデルと同時に市場投入する予定だ。
Power Exporter 9000の特徴は3つある。1つ目は、外部給電装置の定格出力としてほぼ上限となる9kVAを達成していることだ。例えば。日産自動車の電気自動車「リーフ」と家庭の間で電力をやりとりする「EVパワーステーション」(ニチコン製)は定格出力が6kVAである。Power Exporter 9000は、定格出力が約1.5倍を達成しているとともに、持ち運びが可能な可搬型になっている。
外形寸法は全長755×全幅387×全高438mmで、重量は52kg。ホンダが市販する予定の燃料電池車の荷室に搭載できるサイズになっている。
2つ目は、ホンダだけでなく他社の燃料電池車や電気自動車の電力を外部に供給するための接続互換性の確保だ。電動車両用電力供給システム協議会(EVPOSSA)が策定したV2L(Vehicle to Load)ガイドラインのバージョン2.1に準拠することで実現した。トヨタ自動車や日産自動車、三菱自動車といった燃料電池車や電気自動車を市販している競合他社との間で確認作業も進めているという。
3つ目の特徴は、出力する電力の質の高さになる。ホンダは、汎用機器事業として、発電機を長年手掛けている。その発電機の技術を応用したのがPower Exporter 9000だ。電力の質の高さを示す事例として、鳥取大学医学部附属病院次世代高度医療推進センターとの実証実験についても紹介している。災害時における避難所での医療機器の活用を目的とするこの実証実験では、人命に関わる、除細動器や卓上吸引機、濃縮酸素供給装置などを動作させるための電力をPower Exporter 9000から供給している。
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