同プロジェクトは、製品コンセプトの検討段階で設計アイデアの着想を支援し製品を構成するさまざまな評価軸を俯瞰して全体俯瞰ができる設計ツールの開発を目指すものだ。2015年5月に俯瞰システムの中核となる協調動作基盤フレームワークのプロトタイプを開発し、同年10月には昨日モジュール群のプロトタイプも完成予定。また2016年1月にはデモンストレーションを行い開発システムの有用性を証明する計画だという。中間成果物としては、小型風車開発の最適化や焼酎のブランディング分析技術に適用されたとしている。
同プロジェクトでは、従来のエンジニアリングとトポロジー(位相幾何学)最適化技術を組み合わせた新しい構想設計技術を開発することを目指す。3次元シェル構造物のミクロ構造とマクロ構造におけるトポロジー最適化法を開発するとともに、曲面上の物性配向分布最適解によりマクロ構造のテクスチャーパターンを抽出する方法の開発を行う。
実用化に向けては、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)用のデバイス開発に使用することを目標に取り組む。現状でも熱制御デバイスについては、既に試作段階に入っており、HEVのトランスミッションのインバータケースへの適用を目指し、性能評価を進めているという。
同プロジェクトでは、生物形態に構造デザイン技術を構築し、実際の設計や製品開発に生かすということを目指すものだ。バイオイノベーティブデザインと似たものにバイオミメティクスなどがあるが、バイオミメティクスは素材や機能を生物をイメージして開発するのに対し、バイオイノベーションデザインはこれらの生物構造を機構設計に生かすということを中心に考えている点が異なる点となる。生物形態は独自の環境に適したデザインや機構を持っており、それを工学設計に応用するという考えだ。
この実践のために2016年度末まで説物形態に基づく構造デザインの約50種類のデータベースを構築する計画。さらにデータベース活用のソフトウェア開発なども進める。一報で、複雑な生物形態を反映可能な高強度かつ軽量な構造を実現する組ひも技術などの研究開発も進め、リブとシェル構造の一体成形法の開発を実現するという。
同プロジェクトは、「異方性」「カスタム化」を高付加価値製品開発のポイントとして顧客起点の一気通貫モデルを形成するもの。関西の難加工材モノづくりの地域資源を活用した拠点「異方性カスタム設計・付加価値製造拠点」を構築。同拠点により、家電・福祉製品・航空エネルギー部材の開発を行う。
具体的には、異方性カスタム化の超上流設計思想に基づく形状・材質を同時に制御する共通基盤の構築や、顧客自らが最適化設計した製品イメージを3次元造形装置を組み込んだソフト・ハード一体化システムの構築などを推進。また、客観的なデライト指標によって、ユーザーの満足度を評価する異方性カスタム最適化設計にフィードバック、顧客起点の設計・生産製造の一気通貫モデルならびに新規デライト指標の妥当性を地域実証により進めていく。
同プロジェクトは、ラバー製品を対象とする3Dプリンタ技術を活用し、個人に最適に適合するシューズの製造を実現することを目指す。具体的に取り組むこととしては、ラバー製品を対象とする価値共創を目指した設計生産システムの研究開発と、リアクティブ3Dプリンタによるテーラーメイドラバー製品の設計生産技術の研究開発の2つを行う。リアクティブ3Dプリンタではソールの一体成形をターゲットに2液混合インクジェットノズルのマイクロ反応場や光効果剤含有ラバー組成物を用いた3Dプリンタ成形技術を開発する。さらにソールへの一体埋め込み型の有機センサーを試作する。
供給側がイノベーションを起こすプロデューサイノベーションだけでなく、ユーザーも価値を実現できるユーザーイノベーションの相互循環が起こせる仕組みの構築を目指すとしている。
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