先ほどはESP8266がステーションモード、いわゆる他のアクセスポイントに接続するモードについて説明しましたが、ここではESP8266自体がアクセスポイントになるモードについて説明します。
上の図には示していませんが、PCとESP8266はUSBシリアル変換モジュール経由でつながっており、PC上のTeratermからESP8266に対してATコマンドを発行できる状態にあることとします。それではESP8266をアクセスポイントに設定するオペレーション例を見ていきましょう。下のリストはTeretermの通信ログです。
まず1行目でモードをsoftAPモードにしています。4行目でアクセスポイントの詳細設定を行っています。ESP8266がSSID名です。次の文字列が暗号キーです。次の5が無線LANチャンネル、そして最後の3が暗号種別です(3はWPA2_PSKを示します)。
次に7行目のAT+CIFSRコマンドでESP8266のIPアドレスとMACアドレスを確認しています。ここで注意を払って頂きたいのはステーションモードとアクセスポイントモードでは、MACアドレスの最初の桁が異なることです。
それではPCからこのアクセスポイントに接続してみましょう。Wi-Fiのアクセスポイントを一覧するウィンドウにESP8266というアクセスポイントは表示されていますでしょうか。
Windows 8.1ではこれをクリックするとパスワードを入力するテキストボックスが現れますので、先ほどATコマンドリストの4行目で指定したパスワード(暗号キー)を入力してください。接続されたか確認するためにPC側でコマンドプロンプトを立ち上げてIPCONFIGを実行します。途中省略していますが以下のような表示が出てきます。
IPCONFIGの結果は、デフォルトゲートウェイのIPアドレスが「192.168.4.1」で、PCのIPアドレスが「192.168.4.1」であることを示しています。
デフォルトゲートウェイはアクセスポイントモードになったESP8266のことです。PCにもIPアドレスが付与されていることから、ESP8266はDHCPサーバの役割も果たしていることが分かります。デフォルトではDHCPサーバが有効ですが、これを無効にする方法もあります。それらについてはEspressif Systemsが提供するESP8266 AT Instruction Set のマニュアルを参考にしてください。
それでは最後にPC側からPingを発行して、PCとESP8266の接続状態を確認してみましょう。
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