Bluetoothでは他の無線規格のように下位層の仕様化はもちろん、アプリケーション階層のすぐ下のアプリケーションインタフェース階層まで、主な用途に対応して定められている。Bluetoothではこの階層をプロファイル(Profile)と呼ぶ。最下位階層のRFからの各階層と、代表的なBR/EDR Bluetooth のプロファイルを図3に示す。
Bluetooth機器は「同一モードで」さらに「機器同士で同じプロファイルがサポートされている」という条件が満たされると機器間相互でのデータ通信が可能となるのだ。
なお、BR/EDR Bluetoothは、非同期データ転送のみをサポートする無線LAN(Wi-Fi)をはじめとした他のISM帯 近距離無線通信方式と異なり、同期転送によって音声パケットを効率よく送受信できるという特徴がある。このためオーディオ機器や、スマートフォンとカーナビゲーションシステム、あるいは車載オーディオ機器などとBluetoothで接続し、運転中にハンドルから手を離すことなく通話できる「ハンズフリー機能」で多く利用されている。
BR/EDR Bluetooth機器およびBLE Bluetooth機器、そしてデュアルモード搭載機器を販売するためには、2種類の認証取得が必要である。
第1にはBluetooth無線技術の製品搭載のライセンスを得るため、ライセンスホルダーであるBluetooth SIGの定める認証プログラム(ロゴ認証)を遂行する必要がある。
具体的には
(1)製品発売企業はBluetooth SIGメンバーに登録し、
(2)指定された試験機関(BQTF)においてBluetooth搭載機器に対し、テスト仕様書などの規定で要求される試験内容を実施して合格した試験リポートを取得、
(3)Bluetooth SIGの定める認証製品サイトへの登録を行う
といった手続きを経る必要がある。なお、この手続は全世界に有効なので複数の国・地域に販売する場合でも1回の手続きでよい。
第2に、無線機器は各国または地域(EU圏など)で定められた無線機器認証を取得する必要がある。例えば日本では製造者は電波法および関連法規の規定によって「技術適号証明」あるいは「工事設計認証」を取得して製品ラベルに証明番号または認証番号を表示しなければならない。
同様に米国ではFCCの「CFR 47 Part 15, Sub Part B,C」の規定に従った試験の実施と、FCCサイトへの登録手続、そして製品ラベルへの登録ID表示が必要である。さらにEU各国ではR&TTE Directiveの規定により、「EN 300 328」「EN300 440」「EN 301 489」「EN 60950」「EN5037」に従って試験を実施、適合性確認を行って製品にCEマーキングを表示する義務がある。
このように複数の国・地域で販売する予定のBluetooth搭載機器は、あらかじめ認証機関と相談し、製品化スケジュールに認証取得リードタイムを組み込んでおく必要がある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.