セイコー化工機では、CAE技術者の養成課程で自作装置とモデルを使った実験を実施している。実験の測定値と解析を比較することで、よりCAEを「体得」できるようになるという。
セイコー化工機は2015年9月4日、アンシス・ジャパン主催の「ANSYS CONVERGENCE 2015」で同社が実践するCAE教育について講演した。若手設計者の流体・構造CAE教育に取り組む同社 技術開発研究所の藤原匡裕氏が登壇し、「簡単な実験と解析の比較を用いた社内CAE教育の取り組み」をテーマに発表を行った。藤原氏は教育を行う中で、理論やソフトの操作指導に終始する内容に疑問を感じ、“手作り”の実践教育を取り入れたという。
セイコー化工機では2012年4月より、社内CAE技術者の養成を目的に「CFD・CAE分科会」を設置している。2カ月に1度宿題を出し、それに対する報告・実習を行う他、月に1度社内の設計者向けにメールマガジンを発行するなど、設計制度と品質向上を目指して活動中だという。
分科会の主な実習内容は、有限体積法や有限要素法の基礎やソフトの操作の習得と、今回のテーマとなる簡単なモデルでの理論解・実測値・CAEの結果比較だ。藤原氏は過去にサイバネットシステム主催「CAEユニバーシティ」の「FEM実験室」に参加し、モデルを使った解析との比較を体験した。その際、自分自身が解析に自信を持てるようになった経験から「理論や操作法だけではなく、実測との比較がCAE学習に必要だと痛感。簡単なモデルを使った教育を導入した」ときっかけを語る。
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