Mentor Graphicsがプリント基板(PCB)の設計者を対象としたセミナーを開催、PCB設計のトレンドや「Xpedition」の最新情報を発信するとともに、複雑化するPCB設計の方向性について紹介した。
Mentor Graphics(メンター)は2015年8月25日、プリント基板(PCB)の設計/製造担当者を対象としたセミナー「Mentor Forum 2015 - PCBシステム開発ソリューション」(東京会場)を開催、PCB設計におけるトレンドや同社PCB設計/製造用プラットフォーム「Xpedition」の最新情報について紹介した。
登壇した同社 石川実氏(System Design Division Market Development Manager)は製品製造全般にまつわる課題として常に挙げられる「競争力のある製品開発」「タイムリーな市場投入」「パートナーとの協調」を、PCB設計において「複雑化する設計」「設計に許される期間の短縮」「信号周波数の増加」「設計・製造会社との協調」と置き換え、現在の課題を指摘する。
その中でも技術的な側面として、「ここ10年で基板面積は半分に、ピン数は7倍以上になっている」と指摘し、設計難易度が加速度的に上がり、もはや従来の設計思想では対処できない状況になっていると説明した。
これら課題に対応するため、同社では「Expedition Enterprise 2005」で“回路とレイアウトの統合化”、「Expedition Enterprise 2007」で“全社規模IT化への対応”、「Expedition Enterprise 7.9x」では“クライアントサーバシステムによる同時設計”、「Xpedition Enterprise VX」では“最新設計手法の導入と組織間協調設計の強化”といったツールと解決法を提案してきた。
最新の「Xpedition Enterprise VX.1」では完全パラレルの同時レイアウト機能や自動配線機能(スケッチルータ)、ライブラリおよび設計仕掛管理、設計中に検証を行える設計検証、ICパッケージ対応などの新技術が投入されている他、リリース予定のVX.1.1ではFPGAピンアサインの最適化を行う基板協調設計も投入される予定だ。
こうした充実したツールの提供と合わせて、同社がメッセージとして強く打ち出すのが「最初から正しい設計を行うこと」だ。設計時のプリ・ポストシミュレーションも重要だが、加えて、「設計中に正しい設計をすることが、高速配線が多数を占める現在のPCB設計において非常に重要だ」と石川氏は力説する。
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