C・ロナウドが3Dプリンティング技術とハリウッドのSFX技術で等身大クローンに!?世界最高峰のカラダを再現(2/2 ページ)

» 2015年07月08日 18時00分 公開
[八木沢篤MONOist]
前のページへ 1|2       

最先端の3Dプリンティング技術と特撮で培われた匠の技が融合

 また、ロナウド選手の等身大サイバークローンは、MTGの新製品SIXPADの魅力を存分に伝えるため、SIXPADを装着する腹部、上腕部、大腿部の表層をシリコン素材のスケルトン構造とし、EMS(電気的筋肉刺激)による電気信号と連動して収縮する筋肉の動きを再現。併せて、LEDライトによる演出を行う。

 今回、上腕部と大腿部のスケルトン構造の下層にある筋肉組織をデザインしたパーツもObjet500 Connex3で造形。筋肉の動きの再現およびLEDライトによる演出は、Legacy Effectsの独自プログラムにより実現したもので、腹部にDCモータが1個、スケルトン構造部には演出用のLEDライト2000個が組み込まれている。

 これ以外にも眼球、まぶた、眉、顎などが可動し、人間らしい微妙な表情を演出する仕掛けも組み込まれている。こうした顔の表情を作り出すために、頭部内側の頭がい骨形状と細部を動かすための機構部品を、ストラタシスのFDM方式3Dプリンタ「Dimension」で造形。さらに、眼球と目の周りの筋肉には、Legacy Effectsのアニマトロニクス技術を導入して人間らしさを付加している。なお、顔の表情を作り出すために17個のサーボモータが頭部に内蔵されているとのことだ。

腹筋が動き、顔の表情も変化するロナウド選手の等身大サイバークローン

 こうして出来上がった各部位の表層部に、Legacy Effectsの最先端特殊メイクを施すことで、ロナウド選手本人に近づけていったのだという。「3Dスキャンにより取得した全身の3Dデータがあったおかげで、クレイモデルの完成を待たずに、同時進行で可動部分の機構設計や製作が行えた。3Dスキャンと3Dプリンタがなければ、この製作期間でロナウド選手の等身大サイバークローンを作ることはできなかった」(Legacy Effects)。

顔面マスク Legacy Effectsの最先端特殊メイクを施したサイバークローンの顔面マスク

 ストラタシス・ジャパンは、今回のLegacy Effectsとの共同製作プロジェクトで得たものが非常に多かったという。「この取り組みからもお分かりの通り、Legacy Effectsの技術と表現力は素晴らしいものがある。3Dプリンティング技術に加えて何か新しい演出などを検討される際は、ストラタシス・ジャパンが窓口となってLegacy Effectsを紹介することもできる」と、片山氏はLegacy Effectsとのコラボ第2弾への意欲を示した。

片山氏 ストラタシス・ジャパン 代表取締役社長 片山浩晶氏

 なお、今回公開されたロナウド選手の等身大サイバークローンは、同年7月8〜12日の期間、丸ビル1階のマルキューブにて展示され、その後、SIXPADのPRのためアジア各国を訪問する予定だという。

関連キーワード

クローン | Stratasys | 3Dスキャナ | 3Dプリンタ


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.