「RaFaEl(ラファエロ) Vシリーズ」の実機を展示していたのがアスペクトだ。
新たに真空対応で、最大造形サイズ300×300×250mmの装置を発表した。「真空対応したことにより粉末の酸化を防ぎ、ワークの純度を高められる。他社にはレーザー方式で真空対応した装置はない」(アスペクト)。
松浦機械製作所では、切削加工と3次元積層の複合加工機「LUMEX Avance-35」を紹介していた。3次元造形の途中に切削加工を施すことで、切削では不可能な複雑な形も高精度で作れるのが特長。金型への利用が多いという。一体化した金型を作ることで手間が減り、3次元ならではの自由な温調配管の配置も可能になる。
スウェーデンのアーカム社製の電子ビーム方式の金属3Dプリンタを紹介していたのが、エイチ・ティー・エルである。金属粉末焼結はレーザー方式が主流だが、アーカム社の3Dプリンタは、真空下で電子ビームを用いて金属粉末を焼結していく。「他に電子ビーム方式で商品化されているものはない」(エイチ・ティー・エル)。
レーザーに対するメリットは、鋳物よりもはるかに強度があり、鍛造並みの強度を実現できることだという。また、予熱を行うため残留ひずみが少なく、最大3500Wと高出力で造形スピードが速いという。また、レーザー方式では土台にしっかりとワークが付いており、造形後の処理が大変だが、電子ビームではサポートを取るだけで簡単に処理できる。一方、デメリットとしては、真空中でワークを冷やす必要があるため、冷却時間が長くなる。そのため、ワークが小さいと速さを生かせないという。また、適応材料が少ないという点もデメリットとして挙げられる。
「構造材ならレーザーで問題ない(タービンでいえば固定翼やケーシング)が、機能材料(動翼)では不足するといわれている」(エイチ・ティー・エル)ため、電子ビーム方式はガスタービンメーカーなどが検討しているという。
ここまでは、主にパウダーベッド上にレーザーを照射する方式を紹介してきたが、ExOneが提供するのはインクジェット方式だ。バインダによって粉末を固めて塊を作った後に、別の炉で焼結するという。なお、同社では同じ方式で砂型の3Dプリンタも提供している。ブースでは「M-Flex」の実機を展示していた。通常のレーザー方式は不活性ガスまたは真空中で造形するが、同社製品は大気中で出力する。レーザー方式よりも高速であることがメリットだという。
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